2015年11月、テレビのインタビューでHIV(エイズウイルス)に感染していることを告白した米俳優のチャーリー・シーンさん。

5000人ともいわれる派手な女性関係や、HIVをうつされたとする元恋人たちによる集団訴訟の動きなど、その後も話題に事欠かないが、「HIVの啓発には大いに役に立った」と米医師会誌「JAMA Internal Medicine」(2016年2月22日号)が絶賛している。

「HIV」「コンドーム」のグーグル検索史上最高に

同誌で「チャーリー・シーン効果」の論文を発表したのは、米サンディエゴ大学公衆衛生大学院のジョン・エアーズ博士らのチーム。それによると、シーンさんの告白直後からHIV感染に関するニュースの本数が一気に増えて、人々がインターネットでHIVの症状や予防を検索する回数も跳ね上がった。

エアーズ博士らは、グーグルとブルームバーグの2004〜2015年のデータを使い、「HIV」「HIVの症状」「HIVの検査」「コンドーム」のいずれかを含む英語ニュース記事を検索した。その結果、2004年には全記事1000本あたりHIV関係は67本だったが、2015年には12本(5分の1以下)にまで減少、関心がすっかり薄れていた。

ところが、シーンさんの告白直後から関心が急増、告白当日の11月17日にはグーグルニュースだけでHIV関連記事は6500本に達した。さらに、この日だけでグーグルで「HIV」や「コンドーム」をワード検索した数は通常に比べ275万件も多く、史上最高の検索数を記録した。

こうした結果を踏まえて、エアーズ博士はこうコメントしている。

「シーンさんの告白は、一般の人々にHIV感染や予防について理解してもらうきっかけになった。ただ、実際にHIV検査を受ける割合が増えたかどうかは今後調べる必要がある。これからは、ニュース記事でシーンさんを紹介する際は、感染予防の重要性に触れてもらうなど、『シーン効果』を活用する手立てを考えることが医療関係者として賢いやり方だ」とコメントしている。