北京市メディアの京華時報によると、北京市民1人が2月26日、外国人男性1人を「テロリストの疑いあり」と通報したことで、警察から現金3000元(約5万1620円)の報奨金を受け取った。(イメージ写真提供:123RF)

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 北京市メディアの京華時報によると、北京市民1人が2月26日、外国人男性1人を「テロリストの疑いあり」と通報したことで、警察から現金3000元(約5万1620円)の報奨金を受け取った。

 詳しい状況は説明されていない。北京市民1人が外国人男性と会話をしていて「ようすがおかしい。テロリストかもしれない」と疑って、警察に通報したという。「警察はただちに調査して、事前にテロ事件発生のリスクを取り除いた」という。

 警察の措置は、1月1日施行の「中華人民共和国反恐怖主義法(反テロリズム法)」にもとづく。また北京市は条例として「群集挙報渉恐渉暴線索奨励弁法(大衆によるテロ・暴力に関連する手がかり通報への奨励法)」を定めている。

 京華時報によると、北京市警察は1月1日から現在まで、市民5人に対してテロリスト摘発についての情報提供を理由に、合計で約6万元報奨金を支払ったという。

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◆解説◆
 中国では、さまざまな問題についての「国民による当局への情報提供」が広く行われている。犯罪摘発などでは一定の効果を上げているが、中国は過去に「通報の行き過ぎ」で大混乱したことがある。

 文化大革命時などには、社会のあらゆる場所に「反革命分子」が潜んでいるとして、通報(密告)が奨励された。地域や職場の革命委員会などの組織が特定の人物に「反革命分子の疑いあり」と判断すれば、拷問を含む厳しい訊問で、自供を強要することが一般的だった。

 通報が強く奨励されたことで「通報をしないと自分が反革命分子と疑われる」との疑心暗鬼を生み、まったくのでっち上げで他人を「反革命分子」として通報する例も続出した。以前からあまり仲のよくなかった人が、互いに相手を「反革命分子だ」と主張しあうこともあった。

 60年代後半から70年代後半まで続いた文化大革命の結果、中国人の対人不信感は極めて強まったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)