中国経済の減速が鮮明となっている。かつての2桁の経済成長率はもはや過去のものであり、輸出入の減少も目立ち始めた。中国国内では先行きに対する不安も高まりつつある。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国経済の減速が鮮明となっている。かつての2桁の経済成長率はもはや過去のものであり、輸出入の減少も目立ち始めた。中国国内では先行きに対する不安も高まりつつある。

 中国メディアの和訊網はこのほど、北京大学国家発展研究院の関係者の見解として、2016年における中国経済は大きな苦難に満ちた1年になる可能性を指摘しつつも、それでも「自信を持つべきだ」と強調する記事を掲載した。

 記事はまず、戦後に高度経済成長を遂げ、先進国となった日本を例に挙げ、中国経済にとってもっとも最適なベンチマークは「日本である」と指摘。その理由として、日本が戦後に輸出主導で発展したことを挙げ、中国も同様であると論じた。

 続けて、日本が1950年代から70年代にかけて急激に成長し、「中所得国の罠」にはまることなく、一気に先進国の仲間入りを果たしたことを称賛。内閣府によれば、中所得国の罠とは、「経済発展により1人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷すること」を指す。

 中国も投資主導の経済構造からの転換を目指し、消費の喚起のほか製造業の高度化を目指す戦略を打ち出しているが、すでに経済成長率が鈍化しているとおり、転換がスムーズに進むかが課題となっている。記事は、「中所得国の罠を回避し、成長を遂げることは実際には容易ではない」と指摘し、日本が経済発展における戦略を見事に転換させ、先進国になった軌跡を称えた。

 一方で記事は、「現在の中国とバブル崩壊前の日本は酷似している」としつつも、「中国が米国に追いつくうえでは当時の日本以上のアドバンテージを有している」と主張。中国には広大な国土があり、欧州の2倍もの人口がおり、地区間の格差も欧州以上であると指摘。

 例えば、上海の平均収入は米国の4分の1の水準まで向上したが、中国でもっとも貧しい省と上海には発展に大きな開きがあることを指摘し、こうした格差は経済発展においては「成長の動力になる」と主張。発展が遅れている地方は今後、投資の余地が多く存在することを意味するとし、今後の中国経済の伸びしろであるとしたうえで、16年が困難な1年になるのは確かだが、3年後、5年後、さらには10年後を見据えれば中国は自信を持つことができると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)