『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』姫乃 たま サイゾー

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 地下アイドル兼ライターの姫乃たまさんが初の書籍『潜行〜地下アイドルの人に言えない生活〜』を発表しました。

 姫乃さんは、アイドル評論家の中森明夫氏から「最強の地下アイドル」と評価されるほどの実力派。また、ライターとしても赤裸々な想いを吐露する文章スタイルや刺激的なコラムが、読者からの注目を集めています。

 そんな姫乃さんに、地下アイドルの魅力や初の書籍への想いについてお伺いしました。

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----「地下アイドル」と普通のアイドルの違いはなんですか?

普通のアイドルと違って、地下アイドルはマスメディアへの露出よりも、ライブハウスなど、ファンと直接顔を合わせる場でのライブ活動を中心としています。そこで歌ったり、踊ったり、グッズを売ったりして、地道にファンを獲得していくのです。事務所への所属が必須ではなく、SNSを使って宣伝する活動方法から、誰でもなれる特性があります。

---- 地下アイドルの子は、何を求めて活動しているのでしょう?

最終的に、ほかの芸能の道に進みたい子から、「自分の居場所を見つけたい」とか、「憧れのアイドルの真似をしてみたい」という子も多いと思います。地下アイドルは、歌やダンスなどの技術よりも、人間的な魅力を求められます。「八重歯がかわいい」とか「歌があまり上手くないところが、逆に萌える」など、完璧ではないところを愛でる文化もあって、活動していると、本人は気がつかないような魅力を、ファンの方たちが見つけてくれるんです。

---- 地下アイドルにはどんな子たちがいますか?

私の考えだと、だいたい4つのタイプに分類できます。まずは「オタクタイプ」。アニメが好きで、声優に憧れて地下アイドルになった子を指します。「LIZ LISA」のように、乙女趣味な服を着て活動している子が多いですね。もちろん歌う曲は、憧れの声優のカバーです。

次は、「サブカルタイプ」。最近、アイドル文化が栄えたことで、他ジャンルのミュージシャンや文化人と活動することも増えました。いままで地下アイドルを知らなかった人も、可能性がある面白い文化として認識して、業界に入ってくるパターンが増えています。私が活動を始めた時は、まだこのタイプはなかったと思うのですが、今だったら私もこのタイプに分類される......のかな? なんか恥ずかしいですね。

みっつめは、「アーティストタイプ」。これは中でもふたつに分かれるのですが、ひとつは絵がうまかったり、曲が作れたり、何か一芸に秀でているタイプ。自己プロデュース能力が高くて、なぜかメイクでたれ目にしているのが特徴です。ふたつめは「自分をアイドルと認めないこと」タイプで、アーティストとして扱われないと怒ります。ライブでは、「曲に集中してほしい」という理由で、ヲタ芸やコールを禁止することもあります。

最後は、「青春系タイプ」。彼女たちは、地下アイドルはあくまで学生のときにしかやれない趣味だとわりきって活動しています。ハロプロやAKBなど、メジャーなアイドルの楽曲をカバーする子が多いですね。

---- 姫乃さんにとっての地下アイドルの魅力はなんですか?

自由で寛容なところです。懐深い業界だなあと、つくづく思います。地下アイドルの舞台では、普通の女の子が、自由に自己表現することを許されるんです。彼女達が、無邪気に一生懸命、頑張っている姿を見ると、アイドルファンになったことのない私でも胸にくるものがあります。

---- 一方で、初の著書『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』では、「スタッフとの金銭トラブル」や「アイドルのリストカット」など暗い面も取り沙汰されていました。
 
地下アイドルは、基本的には明るくて居心地のいい世界です。だから、私も今日まで活動することができました。ただ、暗い面もあるのは事実。でも、それは地下アイドルが特別に闇のある業界というわけではなく、どこにでもあることで、スポットライトを浴びる職業だからこそ、闇が深く見えているだけだと思うんです。

---- たしかに。

過激なことも書いていますが、地下アイドルの世界の魅力もたくさんつめ込んだ一冊です。「地下アイドルって、なんだか怖い」って先入観を持っている人にぜひ手に取ってほしい。

---- 今回の本ですが、特に装丁(本のデザイン)にこだわりを感じました。

ですよね! 真ん中に私の顔が写っていますが、カバーを外して上下に開くと、グラビア姿が見えるようになるんですよ。

---- 驚きです。すべてのアイドル本の理想形だと思いました。

ありがとうございます。この変形するカバーはすべて手作業で折ったので、製本所のシナノパブリッシングプレスさんには、大変苦労をかけました。増刷がかかったら、ぜひ私も折りに行きたいです。

---- 姫乃さんのこだわりがつまった一冊ですね。
はい。文章だけじゃなく、デザインからフォントまですべてこだわっています。「枕営業」をテーマにしたコラムもあるので、それに合わせたセクシーなグラビアも収録しました。あと、なぜか赤ん坊の頃の写真も載っています......。

---- 姫乃ファン必読の書と言うわけですね。そのほかだと、どんな方に読んでほしいですか?

自分の居場所がない、なんとなく生きづらさを感じている、そんな人に読んでほしいですね。書籍には、私の来歴についても書いたページがあります。こんな失敗だらけで、めちゃくちゃ人生を歩んでいる私でも、なんとか生きて、本出すことまでできました。落ち込んでいる人には、ちょっと勇気が出る内容だと思いますし、この本を機に地下アイドルの世界に興味を持ってくれる方が少しでも増えれば嬉しいです。


<プロフィール>
姫乃たま(ひめの・たま)
1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへ精力的に出演するかたわら、ライター業も営む。そのほか司会、DJ、モデルなど活動内容は多岐にわたる。著書に『潜行〜地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。