台湾「二・二八事件」69年  市民団体がデモ「教科書に真実を」

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(台北 29日 中央社)戦後間もない台湾で国民党政権が市民らを武力弾圧した「二・二八事件」の発生から69年を迎えた28日、市民団体「台湾教育轉型正義連盟」が台北市内でデモを行い、事件の真実を明らかにした上で、教科書にその元凶を載せるよう求めた。

団体は、台湾の歴史教科書には「被害者がいるだけで、加害者がいない」と主張。二・二八事件や、1979年に起きた人権デモ弾圧事件「美麗島事件」などの加害者は曖昧(あいまい)なままで、教科書でも明確な記述がないと指摘した。

また、現行の「課程綱要」(課綱、日本の学習指導要領に相当)は、表面上では二・二八事件を強調しているが、政治運動の歴史とは切り離し、事件が台湾の民主主義や独立運動に与えた影響を教えないようにしていると批判している。

これに対して、教育部(教育省)の国民及び学前教育署は、現在、中学校と高校の歴史の授業では二・二八事件を教えており、課綱でも教科書に事件の過程や背景、歴史を記述するよう求めていると強調。問題となっている部分に関しては、教科書が明確な答えを出すものではなく、教師が生徒たちに議論させるべきものだとした。

<二・二八事件> 1947年2月28日、ヤミたばこ密売への取り締まりが引き金となって台湾全土に広がった、住民の国民党政権への大規模抗議。事態収拾のため、蒋介石が中国大陸から軍を派遣。各地で徹底した武力弾圧が繰り広げられ、それによる死者は、1万8000人〜2万8000人に上るとされる。事件から半世紀近く経過した1995年、当時の李登輝総統は中華民国政府を代表し、全国民に謝罪した。

(許秩維/編集:杉野浩司)