中国政府・国家互聯網信息弁公室(国家インターネット情報事務室)の姜軍報道官は28日午後、不動産グループ華遠集団の任志強総裁の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)のアカウントを閉鎖させたと発表した。任総裁は、共産党に対する批判を繰り返していた。(イメージ写真提供:(C)katoosha/123RF.COM)

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 中国政府・国家互聯網信息弁公室(国家インターネット情報事務室)の姜軍報道官は28日午後、不動産グループ華遠集団の任志強総裁の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)のアカウントを閉鎖させたと発表した。任総裁は、共産党に対する批判を繰り返していた。

 任総裁は「当局批判・体制批判」を繰り返していた。批判の対象は、不動産政策のような専門に関連する具体例から、西側式の民主制度実現の要求にまで及んだ。それと同時に、メディアなどによる任総裁に対する批判も激烈になった。

 2008年には、「中国人が“叩く”対象で、私は3番目だ。1番目が小泉純一郎、2番目は陳水扁だ」と語った。日本の小泉純一郎元首相や台湾の陳水扁前総統は、中国当局や中国メディアに猛烈に批判された人物だが、任総裁の発言は「叩く方がおかしい」とも読み取れる。

 最近では、習近平主席がメディアついて「『姓が党』でなければならない」と強調したことに反発した。「姓が党」とは、「共産党の名のもとに情報発信すること」、つまり「共産党の宣伝機関に徹する。政策に批判的な報道はしない」ことを意味する。

 任総裁は、共産党と人民の利益は必ずしも一致しないとして「メディアは人民に奉仕するものだ。共産党に奉仕するものではない」、「すべてのメディアの“姓”が『党』になり、人民の利益を代表しなくなれば、人民は捨てられ、忘れさられることになる」などと批判した。

 国家互聯網信息弁公室姜報道官は「ネットユーザーから、任志強が違法な情報を公開しつづけているとの通報があった」として、関連法案にもとづき、SNS運営会社に、任総裁のアカウントを閉鎖するよう指示したと述べ、「バーチャル空間も法の外ではない。インターネットを利用して違法な情報を流すことは許されない」と述べた。

 ただし、米国に拠点を置いて中国語で中国共産党批判の情報を流し続けている中国禁聞網によると、姜報道官が「ネットユーザーからの通報があった」と説明したことに対して、中国では「オレたちは通報をしていない」と言った書き込みが相次いだという。

 任総裁の個別の書き込みが削除されることは、これまでもしばしばあったが、今回はアカウントそのものが閉鎖された。

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◆解説◆
 任志強総裁は1951年生まれ。父親は、中国政府・商業部の副部長(副大臣)を務めた経歴もある任泉生氏(1918-2007年)。つまり任総裁は共産党の高級幹部の家に生まれたこともある。幼いころから習近平主席とも見知った仲である可能性が高い。

 任総裁は自叙伝で「老幹部、大幹部に会ったことは何度もある。小さいころ、指導者に抱っこしてもらった」と書いている。この場合の「指導者」とは毛沢東主席と理解するのが最も自然だ。

 言論統制の厳しい中国では、任総裁がこれまで共産党に対する辛辣は批判を繰り返してこれが方が異例だ。共産党の長老内に、任総裁を擁護してきた勢力がある可能性もある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)katoosha/123RF.COM)