中国メディアの中国経済網は26日、「日本の農民:農村に住む市民」と題した記事を掲載した。中国では都市と農村部の大きな格差が社会問題になっている。記事は、日本では農村部と都市で生活環境にほとんど差がないと、改めて驚きを示した。

 記事は冒頭で、日本について「典型的な、人が多く土地の少ない国」と紹介。山地と丘陵が国土の8割を占め、農業の規模も大きくなく、戦後の高度成長以来、経済全体に占める農業の比重を下がり続けてきたと指摘。その上で「全体的に見れば、日本は都市と農村の一体化を推し進め、現在では日本の農民は『農村に住む市民』であり、物質生活の面では都市部住民と遜色がない」と論じた。

 さらに、日本では農村部住民の教育程度が高く、都市部に比べれば住居も広く、良好な自然環境に魅了されて都市部から移住する人もいると指摘。これらの状況は、日本政府の農業に対する大きな支援と切り離すことはできないと論じた。

 都市と農村では人口密度こそ違うが、農村でも「道路、水道、電気、衛生など生活に必要な条件は完備しており、スーパーマーケット、郵便局、病院、ガソリンスタンド、体育館などの施設も、どこにでもある」と指摘した。

 中国ではこれまでも、日本では都市と農村の格差が少ないと指摘する記事が時おり発表されてきたが、同記事は物質面以外の社会のシステムそのものにも注目した。

 まず、汚水の浄化も行われている。ごみも回収される」と驚いた。さらに、日本では1961年から健康保険や国民年金の制度を実施し、「いかなる人が、いかなる場所に住んでいても」、同一の城乾で社会保障の対象になると指摘。さらに、日本の地方行政は教育にも大いに力を入れたので「農村地区の子でも(都市部と)同じように良好な教育を受けられる」と紹介した。

 さらに、生徒数が100人に満たない中学校でも、音楽室、プール、サッカー場(校庭?)、体育館などの施設が完備しており、校舎は最高安全基準で建設されていると紹介した。

 さらに、公立学校の教師や校長はすべて国家公務員であり、国家が直接給与を支給するので、各地の経済水準の違いで、教師の給与に差が生じることはないと紹介した(解説参照)。

 農業については、農業協同組合の果たしてきた役割りを強調。肥料などの購入や農産物の販売、技術指導、さらに保険や貸付、農業情報の伝達などを紹介した。

 ただし、日本の農業は他の産業以上に高齢化が深刻な問題と指摘。2010年には専業農家の農業従事者が205万1000人で、平均年齢が66.1歳だったが、2015年には176万8000人、67.1歳になったとして、日本政府は今後、「農業技術は向上、農業は衰退」という厳しい課題に直面することになると紹介した。

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◆解説◆
 中国では制度上、公務員のすべてを「国家公務員」としている。勤務場所が「中央政府」であるか「地方政府」であるかの違いがあるだけだ。ただし、公務員以外の立場で、政府関連機関に勤める職員もいる。教育関連でも農村部では特に「公務員ではない教師」が存在する。

 上記記事は、中国に地方公務員の概念がないため、日本の制度をやや誤解したと考えられる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)