近ごろ、日本の農村を賞賛する記事が中国メディアのあいだで続々と出現している。そこには日本に対する憧れというよりも、中国国内の農村貧困問題、農村の都市化問題が難題に直面している現状が垣間見える。中国メディア・参考消息は25日、日本の農村は都市部とほぼ同等の生活レベルにあり「農村に住む市民である」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 近ごろ、日本の農村を賞賛する記事が中国メディアのあいだで続々と出現している。そこには日本に対する憧れというよりも、中国国内の農村貧困問題、農村の都市化問題が難題に直面している現状が垣間見える。中国メディア・参考消息は25日、日本の農村は都市部とほぼ同等の生活レベルにあり「農村に住む市民である」とする記事を掲載した。

 記事は、高度経済成長期に農業の地位が低下した一方で、日本は政府による各方面からのサポートにより、徐々に都市と農村の一体化が実現されてきたと紹介。人口密度以外は農村と都市にさしたる差がなく、道路・水道・電力・衛生といったライフライン、商店・郵便局・汚水設備・ごみ収集などの体制もしっかり整っているとした。

 また、日本の農業は世界先進レベルの稲作をはじめ、高いレベルで機械化しているほか、都市と同じ健康保険や年金制度に加入できること、同じレベル教育を受けられること、農作物の値段が高いことで農家の収入も安定し、都市との収入格差も少ないことなどを挙げて説明した。さらに、法律や体制面で農業の科学技術普及を進めるとともに、国の研究機関は技術の成果を無償で農家に提供することで、品種改良が絶えず進み、農家の収益と日本農業の競争力も高められていると論じた。

 日本の農村の優れた点を一気に列挙して賞賛した記事だが、最後には日本の農業が抱える深刻な問題についても言及している。2010年には205万1000人の専業農家がおり、平均年齢が66.1歳だったのが、15年には176万8000人と減少する一方で平均年齢が67.1歳に上昇したことを挙げた。また、若い人は都市の賑やかさを好んで移住してしまうことから、農村人口がさらに減少しているとも紹介。「農学が進行する傍らで、農業が衰退する」という状況が、日本政府が今後直面する厳しい課題であると伝えた。

 確かに、日本の農村地帯における過疎化、従事者高齢化の問題はすでに長きにわたって問題視されている。その一方で、若者に農業へ参画してもらう様々な動きもあり、徐々にではあるものの農業に身を転じる若者の数も増えつつあるようだ。中国ではまさに今「新たな農村の形」の実現を目指しているが、日本でも来るべき大きな問題に向けて、魅力ある農村・農業のスタイルを模索し続けているのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)