中国メディアの新浪網によると、北京大学国家発展研究院院長の姚洋教授は、21日まで黒龍江省のスキー・リゾート地「ヤブリ(漢字表記は亜布利)で開催されたヤブリ中国企業家フォーラムで講演を行い、中国経済の現状を知り、今後の発展を考える上で「日本を基準」にすべきと主張した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの新浪網によると、北京大学国家発展研究院院長の姚洋教授は、21日まで黒龍江省のスキー・リゾート地「ヤブリ(漢字表記は亜布利)で開催されたヤブリ中国企業家フォーラムで講演を行い、中国経済の現状を知り、今後の発展を考える上で「日本を基準」にすべきと主張した。

 姚教授は、日本は戦前に先進国になったが、第二次世界大戦で振り出しに戻ったと説明。そして50年代から70年代の石油危機までは高度成長を続け、特に1964年の東京五輪大会の後には、経済成長率が19%に達したこともあったと紹介した。

 最近については2008年の金融危機以降には、米国も欧州も「調整局面」に入ったが、日本経済は特に落ち込みを示していないとして、「日本は世界で唯一の、米国を追って行ける国」になったとの見方を示した。

 姚教授は、国民1人当たりの収入に注目。同時期における米国人1人当たりの収入と比較するとよく分かるとして、日本は高度成長開始後約20年の1970年に、国民1人当たりの収入が米国人の80%に達したことを「非常に短期間で達成」と評した。
 姚教授は、日本を基準に自国経済を判断すべき理由として、加工貿易輸出で高度成長を実現した点が同じだからと述べた。

 日本が達成した大きな成果としては、日本は国民1人当たりの収入を増やすと同時に、技術面でも大きな進歩を遂げたと主張。日本の技術力はすでに米国に匹敵するとの考えを示し、電子製品関連や小型自動車など、米国を抜いた分野も多いと論じた。

 姚教授は、現在の中国が持つ日本にはない有利な点としてはまず、資金の豊かさを挙げた。ただし、資金を保有しているだけではだめで、その資金を投じて技術開発をする必要があると主張した。

 姚教授は、中国は国土が大きく地方による格差が極めて大きいことも、日本との大きな違いと主張。格差は政治的には多くの問題があるが、経済については成長の動力になりうると論じた。

 姚教授は、日本では農村部まで、国土整備が極めて高いレベルに達したと説明。しかし、日本は国土が小さいために、格差解消のためのインフラ整備の「容量」が小さかったと指摘。

 中国国内の地域格差については、「上海人の1人当たり収入は米国人の4分の1」、「中国における最貧困地域の1人当たりの収入は、上海人の8分の1から7分の1」であり、しかも「北京市から西に50キロメートル進めば、太行山の最貧困区」と指摘。国内における投資先の莫大さが、日本のような小さな国とは違う、有利な点と論じた。

 姚教授は、中国があり、日本にはない有利な点として、金融市場、特に資本市場が「臨機応変」である点を挙げた。日本では銀行の支配力が大きいために、市場を移動する資金が少ないと主張。

 一方の中国では、資金の流動性が大きいと主張。「以前には想像もできなかったほど」と論じた。

 姚教授は、学生に対して「孫正義氏が(アリババ・グループを率いる)馬雲氏に投資して、2500倍のリターンを得た。これは公正か? 公正と考えるなら、その論拠は?」と質問をすると言う。

 答えは「公正」で、それだけの金を馬雲氏が創出したのは事実だが、失敗する可能性も大きかった。つまり、孫氏は2500分の1」という確率に投資したのであり、ハイリスク・リターンの投資に成功して利益を得ることは「公正」と言わねばならないという。

 姚教授は、資本市場の行きかう資金の流れが活性化したことも、中国経済に大きな役割を果たすと述べた。

 ただし、2016年については「これまでで最も難しい1年」になるのは避けられないと言う。姚教授は、今年の状況を直視するだけでなく、企業家は3年、5年、10年後をしっかりと見据えねばならないと主張した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)