中国は知的財産権という概念がもともと薄く、そのため保護に対する取り組みも遅れていると言われてきたが、中国ではようやく知的財産権の概念が普及しつつあるようだ。中国メディアの騰訊科技はこのほど、中国が世界に誇る知的財産は西遊記ぐらいしかないと指摘し、「米国と日本に学ぶべきである」と論じた。(イメージ写真提供:(C)Thang Wai Yee/123RF.COM)

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 中国は知的財産権という概念がもともと薄く、そのため保護に対する取り組みも遅れていると言われてきたが、中国ではようやく知的財産権の概念が普及しつつあるようだ。中国メディアの騰訊科技はこのほど、中国が世界に誇る知的財産は西遊記ぐらいしかないと指摘し、「米国と日本に学ぶべきである」と論じた。

 記事は、中国国内で知的財産権を活用して「多くの人を養える」ほど大きなビジネスとなるのは西遊記だけと指摘。日本でもおなじみの西遊記は、大人向けから子ども向けまで数多くの関連映画が製作されており、統計によれば1926年から現在に至るまで、世界中で少なくとも80作以上の映画が製作されたという。

 続けて、中国には世界に通用する知的財産と呼べるものが「西遊記しかないのはなぜか」と問いかけた。米国にはディズニーやマーベルなど「システム化された知的財産の宝庫」があり、日本のアニメには名探偵コナンやONE PIECE、ドラえもんなど、世界レベルの知的財産が数多く存在するからだ。

 記事は、米国が知的財産の面で大きな成功を収めた理由について、米国のコミック出版社マーベル・コミックを例にして分析。同社の複数のアメコミに登場するヒーローであるキャプテン・アメリカや日本でも知られるスパイダーマン、アイアンマンなど豊富な資源を有していることに加え、「時間をかけて知的財産を育てる」環境があると説明。例えば映画アベンジャーズの公開は2012年だが、映画に登場するキャプテン・アメリカは1941年、アイアンマンは1963年と、重要なキャラクターが「一代、中には数代かけて」成長していると論じた。また、作品の核心的な価値観に真実性と持続性があること、つまり世界観も重要だとした。

 次いで日本の例として、日本では著作権を所有する側が、他社と共同で委員会を立ち上げ、話し合いや実行に携わるため品質が保証されると指摘。多くの場合、「究極的な細部にまで」こだわるため、「知的財産権の高い品質を確保できる」とし、日本は知的財産を通じて長期的な収入を獲得していると論じた。

 中国には悠久の歴史を題材にした映画などは数多く存在するが、他国の消費者にとって中国の歴史は分からない点が多すぎるため、知的財産として売り出すうえで課題は多い。そもそも中国は知的財産という概念の普及が遅れていたため、産業として発達するのも遅れたと言えるだろう。中国では今なお知的財産権の侵害にあたる海賊品や模倣品が数多く存在するが、知的財産ビジネスを発展させるためには知的財産の保護が必要不可欠であるといえる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Thang Wai Yee/123RF.COM)