まだ「名のみの風の寒さや」といった感はあるが、暦の上ではもう春。「春」といえば、レースで113連敗を記録して「負け組の星」とムーブメントを巻き起こした競走馬「ハルウララ」が競走馬から引退してすでに10年が経つ。「ああ、そんな馬がいたね」といった印象になりつつあるが、中国では近ごろ「ハルウララ」の物語が紹介され、そこから「日本人の特殊性」を見出した人もいたようだ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 まだ「名のみの風の寒さや」といった感はあるが、暦の上ではもう春。「春」といえば、レースで113連敗を記録して「負け組の星」とムーブメントを巻き起こした競走馬「ハルウララ」が競走馬から引退してすでに10年が経つ。「ああ、そんな馬がいたね」といった印象になりつつあるが、中国では近ごろ「ハルウララ」の物語が紹介され、そこから「日本人の特殊性」を見出した人もいたようだ。

 中国メディア・新浪体育は25日、中国中央テレビ(CCTV)の番組で紹介された「ハルウララ」のエピソードを見て「心が震えた」とする記事を掲載した。

 記事は、番組では戦えど戦えど勝てない「ハルウララ」に日本の人びとが注目し、多くの人がわざわざ競馬場にその姿を見に訪れるうえ、「当たらないことが分かっているような馬券を購入して、友だちにプレゼントし」さえする、「夢はいつかかなう」などといった歌まで作られるといった話が紹介されたと説明。「最初は、日本人がどうして連戦連敗の馬を愛するのかが分からなかった」とした。

 そのうえで、司会者による「日本人はその弛みない努力を重く見ているのだ。勝ったことのない馬が、怠けることなく毎回全力で走るという点に、多くの日本人は感動したのだ」という解説があったと紹介。「日本人は決して単純に弱者に同情しているのではなかった。奮闘する姿を愛し、励まし、崇拝するのだ。彼らにとって、努力こそ尊敬の対象であり、結果は重要ではないのだ」ということに気づき、「見終わった時には心の中が震えていた」との感想を伝えた。

 そして「社会の大多数はハルウララ同様、努力しても栄冠を勝ち取れないということはみんなよく分かっている。日本人は失敗者からパワーをもらい、自己を奮い立たせることで、全体の向上につながっていくのだ。これは経済的な奇跡よりももっとすごいことではないか」と評価するとともに、中国と日本との間には「軽視されがちな価値観の違い」が存在し、実は「それこそわれわれが留意するに値するものなのだ」と論じている。

 「ハルウララ」のブームについてはいささか「やり過ぎ」といった印象が否めない部分もあったと思われるが、確かに日本には「いくら頑張っても勝てない、弱い者」に対して愛着を持ち、応援する傾向があるのではないだろうか。記事は「単なる同情ではなく、努力する者をリスペクトする」という解釈をしている。もちろんそれもあるが、同時に「判官びいき」という言葉が日本に存在することも是非知ってもらいたいところである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)