中国のネット上に数多と存在する「中国人が驚く日本人の習慣」的な紹介記事。今やすっかりおなじみとなったお決まりの内容のものもあれば、「ああ、これが中国の人にとっては新鮮だったりするのか」と意外に思ったり、考えさせられることもある。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国のネット上に数多存在する「中国人が驚く日本人の習慣」的な紹介記事。今やすっかりおなじみとなったお決まりの内容のものもあれば、「ああ、これが中国の人にとっては新鮮だったりするのか」と意外に思ったり、考えさせられることもある。

 ちょっと前になるが、網易などの中国メディアで昨年11月に「日本で見られる7つの奇怪な現象 中国人は呆然」と題した文章が紹介された。文章では、日本国内では日本産ニンニクが中国産ニンニクの10倍の値段で売られている、駅員のいない駅がある、概ね赤信号を守る、白髪頭のタクシー運転手がいっぱいいるといったトピックが示されているが、そのなかに「スーパーマーケットで自由に写真撮影ができる」というものがあった。

 記事は「日本のスーパーの多くでは、みだりに写真を撮影しても誰も構わない。これがもし中国だったら、ほとんどの場合警備員によって制止されるだろう」と説明している。「自由に撮影ができる日本のスーパー」とも表現しているが、日本のスーパーでは実際のところ撮影行為を「お断り」しているケースが多い。ただ、ちょっとカメラを構えたからといってすぐに店員や警備員が飛んできて止めさせる、という可能性が中国に比べればだいぶ低いという話なのである。撮影したいのであればまず店員にお伺いを立てなければならないというのは、日本でも中国でも同じだろう。

 しかし、そもそもどうして「スーパーで写真撮影をしても誰も構わない」ということが中国人にとってそんなに「驚き」になるのか。その疑問を解くカギは、日本と中国のスーパーが写真撮影に対して抱く「恐怖感」の対象の違いにある。

 日本で撮影の「ご遠慮」が求められる主な理由は、他の客に迷惑がかかる可能性があること、そして同業者に売り場や価格の調査をさせないことだろう。かたや中国のスーパーについて、記事は「企業イメージがあまりにぜい弱である故、撮影者がメディア記者であることを恐れ、『公衆にさらされてはまずいもの』を撮られることを怖がっているのだ」と論じている。「店主は『火災と泥棒、そして記者を防げ』と厳命しており、カメラを持っている人物に対して直ちに強い警戒を示すのだ」とのことである。

 その表現はいささかオーバーではあるものの、記事の説明は根本的に中国の現状を正確に捉えている。後ろめたいことがなければ堂々と撮影させればいいはずであり、躍起になって撮影を制止する状況からは、残念ながら店側の自信のなさが垣間見えてしまう。しかし一方で、一般客を装って「潜入取材」を行い、問題点や店員とのやりとりを撮影して新聞やネット、テレビで公開するという報道手法が中国国内で盛んであるという背景もある。だからこそ、「店は『記者』を泥棒同様に恐れ、警戒している」という冗談めいた話も出てくるのだ。

 日本の文化を大いに賞賛したり、日本の習慣を「驚き」という表現で伝えたりする中国メディア。もちろん単純に賞賛するケースも多々あるが、それと同じくらい「それに引き換えわが国内は」などといった問題提起にウエイトを置いたものも見受けられるのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)