23日、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、「中国の南シナ海での巧妙な戦略は問題を遠ざけることはできるか?」と題する記事を掲載した。写真はウッディー島。

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2016年2月23日、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、チェコ国際問題研究会のアナリストであるミハイル・ティム氏による「中国の南シナ海での巧妙な戦略は問題を遠ざけることはできるか?」と題する記事を掲載した。

記事は、「南シナ海の問題において、中国は対立する相手国に対して優勢だ」と指摘する。ASEAN(東南アジア諸国連合)は中国の頭痛の種にはなり得ておらず、中国と対立するベトナムやフィリピンの抗議は、ラオスやカンボジアといった親中政策を取る国にかき消されているのが理由だ。実際、今月15日に米カリフォルニア州サニーランズで行われた米・ASEAN首脳会議で発表された共同声明は、「南シナ海」「中国」といった文言は含まれない原則的なものにとどまった。

記事はまた、「中国はカードをうまく利用して対立する相手を分断しているが、それ以外にも、中国政府には周到に計画してきた方法を実行に移している」とする。「中国は漁船の“協力”のもとに、他国と領土問題がある海域付近を、中国海軍ではなく海洋警察にパトロールさせている」とし、「人口島には着々と滑走路やインフラ施設が建設され、それらはほぼ完了している。今後、中国が先進的な武器を次々と運び込んでも不思議ではない」と軍事基地化に危機感を示す。

さらに、記事は中国政府の戦略について、「強烈な反発を招くようなことはしないものの、中国の好きなように状況を変えていくという巧妙なやり方を行っている」と分析。「その目的は対立をあおることではなく、既成事実をつくることだ」とする。こうした現状に向き合う米国やそのパートナー国については、「現在のところ、航行の自由作戦以外に何ができるかは見えない状況」と指摘した。

記事は最後に、「最近、中国の船がマレーシアのボルネオ島付近に出没しているが、これまで成功したのと同じやり方をほかの地域でも行おうとしていることを暗示している」としている。(翻訳・編集/北田)