65歳以上の人は、肺炎球菌ワクチンの接種を(写真はイメージ)

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インフルエンザが全国的に流行している。乳幼児や高齢者は、症状を悪化させて肺炎にならないよう気を付けたい。

特に高齢者は、体力の衰えにより肺炎が重症化しやすいという。肺炎の原因として最も多い病原菌「肺炎球菌」をいかに防ぐかが大切だ。

「飲みこむ力」弱まり菌が気管、肺に流れ込む

日本で「3大疾病」と言えばがん(悪性新生物)、心筋梗塞(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)を思い浮かべるだろう。生命保険会社が提供する「3大疾病プラン」でも、これらを指している。ところが実態は変化が起きていた。2011年以降は、肺炎が脳血管疾患を抜いて日本人の死因の第3位となっている。厚生労働省が2016年1月1日に発表した人口動態統計の年間推計によると、2015年の肺炎による死亡数は12万3000人と、前年比3350人増となった。高齢化の進行も、肺炎による死者の増加に拍車をかけているようだ。

さらに死亡者のうち、65歳以上の高齢者が97%近くに達するとのデータもある。肺炎にかかるパターンのひとつは、高齢になると風邪やインフルエンザにかかって体力が衰えたり、呼吸器や心臓の持病があったりして免疫力が低下し、そこに細菌が肺に入って肺炎を引き起こす、というもの。

もうひとつは「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」だ。年齢とともに食べ物を飲み込む力が弱まり、だ液や食べ物が気管に入ってしまうことがある。その際に細菌まで気管に入り、肺に流れ込んで肺炎の原因となる。日本呼吸器学会によると、高齢者の肺炎の70%が誤嚥に関係していると言われているそうだ。

肺炎を引き起こす菌として知られるのが肺炎球菌で、厚労省によると成人が日常的にかかる肺炎のうち4分の1〜3分の1が、この菌による。肺炎予防には手洗いとうがい、マスクの着用のほか、高齢者の場合は菌が肺に入り込まないように口腔ケアや誤嚥の防止も必要だ。免疫力を高めるうえで、規則正しい生活や持病の治療も忘れてはならない。実は肺炎は冬場にだけ流行するわけではなく、年間を通じてかかる可能性がある。時期を問わずに予防を心がけたい。

2014年10月には、全国で高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの接種も始まった。

65歳以上、5歳刻みで100歳までが定期接種の対象

2016年3月31日までに定期接種の対象となるのは、1950年4月2日生まれ〜1951年4月1日生まれの65歳から、70歳、75歳と5歳刻みで100歳までの人たち。2016年4月1日からは「新年度」となり、対象者の生年月日の範囲が変わるので要注意だ。60歳〜65歳未満でも、心臓や腎臓、呼吸器の機能、またヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害がある場合は対象に含まれる。

対象者の定期接種は、一部が公費負担となる。自己負担の金額は自治体によって異なる。各自治体のウェブサイトを見ると、例えば東京23区は4000円だが、千葉市や横浜市は3000円となっている。詳細は、各自治体に問い合わせるのが望ましい。