専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第43回

 今回のお題は、これです。

「すべてのゲームは、自分が決めた約束事、マイルールの実践である」

 これは、ゴルフはもちろん、その他のスポーツ、スマホゲーム、果ては株取引などにも応用できる"金言"のようなものです。私は最近、平日の昼間にデイトレ(※1)をしていますが、そこで大事なのが「マイルール」です。
※1=デイトレード。株取引で日々売買すること。一日で取引を完結させること。

 例えば、50万円で買った株が下落したとします。じゃあ、いくら下がったら売るのか。これを決めておかないと、株では勝てません。

 今の私なら、1万円以内で「損切り(※2)」します。10年ぐらい前、任天堂の株を400万円台で買って、ずるずると下げて300万円まで大事に持っていました......って、アホやん。軽く100万円ほど損をしましたけど、何か?
※2=損が出るのを承知で決済すること。早めに見切って、少ない損失額に抑えることでもある。

 まあ、こういう痛い思いをして、マイルールを構築していったのです。

 さて、ゴルフですが、20年以上のキャリアがありますので、マイルールもたくさんあります。いくつか紹介しますので、共感できる部分がありましたら、ぜひプレーの参考にしてみてください。

 最初のマイルールは、こちら。

「ラフからウッドで打たない」

 これは、何度かトライして懲りている方なら、学習済みでしょう。特にシーズン中の長いラフからは、ウッドでは出ません! というか、当たらないです。

 そもそも、ラフは芝生が長く生えている"ハザード"であり、"ペナルティー"なのです。そんなところで、グリーンまで残り180ヤード、ウッドなら狙える距離だからといって、そのままウッドで打ったら、せいぜい前進50ヤードがいいところでしょう。

 こんな格言もあります。「長いラフと毛深い女性は、情が深いので気をつけろ」と。そんなこと、死んだ爺さんから言われませんでしたっけ?

 続いてのマイルールは、これ。

「アイアンはマン振りしない」

 これを実践できるまでには、10年かかりました。例えば、残り140ヤードなら7番アイアンのフルショットの距離ですが、アイアンをフルショットすると、ロクなことがないです。ボールは曲がるし、シャンクやトップ、ダフリなどのミスショットをしがちです。

 じゃあ、どうすればいいのか。140ヤードを打つなら、6番アイアンで軽く、8〜9割程度のショットをすればいいのです。

 ゴルフは、アイアンの飛距離自慢大会じゃないので、残り90ヤードなら9番アイアンで軽く打ち、150ヤード以上はユーティリティーで打つと決めています。それからですよ、スコアがまとまり出したのは。

 続いては、トラブルショットの解決方法となるマイルールです。

「林からボールを出すときは、一番確実にボールが出る方向に打つ」

 昔は、林の中から少しでもピンに近い方向に向かって、果敢にチャレンジして打っていました。おかげで、キンコンカンコンしましたけど......。

 2012年、2014年と2度のマスターズ優勝の際にも"魅せた"バッバ・ワトソンじゃあるまいし、素人が林から打ってグリーンに乗るはずもないんです。

 要するに、「ミドルホールで林に入ったら、ダボでよしとする」という考えを持たないと。これも、マイルールですね。

 だいたい林にボールが入った段階で、大した飛距離は出ていません。そこからボールを横に出したところで、残りはグリーンに乗る距離ではないのです。おそらくグリーンまで190ヤードとか、そんなところでしょう。ここは、3打目でグリーン近くまで持っていって、ダボで十分、あわよくばボギーという思考に切り替えないと、ですね。

 頭に血が上っている方は、林から出したあと、3打目でグリーンに乗せて、1パットのパーで上がる、なんて妄想をしていませんか? それはゴルフ漫画の読み過ぎですよ。そうやって、今しがたミスショットをしたばかりだっていうのに、懲りずにマン振りするから、ミスの連鎖となるのです。

 以下、気になるマイルールを列挙しますので、ご参考までに。

「暫定球は、別のクラブで打つ」

 より考慮すべきは、ティーショットの際ですね。たった今、ミスしたクラブで打ち直すのは、どうなんでしょうか。より安全なクラブに変えて打つほうが懸命だと思います。

「パットは、OKをもらえる距離に打つ」

 格好つけて、返しのパットがしんどくなるオーバーはしないこと。それは、プロの試合の見過ぎです。

「ティーショットを打つ前に素振りは必要」

 素振りはワッグルと違って、今からこのように打つ、というエアショットなのです。そこで、しっかり肩が入っていてこそ、本番でも同様に打てるというわけです。

 そして、最後はこれです。

「キャディーさんの判断が違っていても、文句は言わない」

 キャディーの善し悪しは、運ですから諦めましょう。それは、キャバクラに行って、あまり可愛くない子とにこやかに喋って、お金をたんまり支払い、世の中の「無常」と「不条理」を甘受した方なら、理解できるはずです。

 無愛想なキャディーさんとラウンドして、ぜひ"大人力"を磨いてみてはいかがでしょうか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa