「日本の自動車は安全だ」、「いや衝撃に弱い」などといった水掛け論的な議論が中国のネット上で後を絶たない。何をもって「安全」と称するのかの意思統一が図られなければこの議論が終わりを迎えることはないだろう。「安全」への信頼向上こそ、近年所有台数が急増した「若き自動車大国」である中国において、安全な自動車の生産と並んで大いに考慮すべきテーマではないだろうか。(イメージ写真提供:123RF) 

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 「日本の自動車は安全だ」、「いや衝撃に弱い」などといった水掛け論的な議論が中国のネット上で後を絶たない。何をもって「安全」と称するのかの意思統一が図られなければこの議論が終わりを迎えることはないだろう。「安全」への信頼向上こそ、近年所有台数が急増した「若き自動車大国」である中国において、大いに考慮すべきテーマではないだろうか。

 中国メディア・環球時報は20日、日本の独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA)による自動車の安全評価の取り組み、システムについて紹介する記事を掲載した。記事は、同機構が毎年政府から140億円の資金を得ており、「第三者の立場から、日本で販売される自動車すべてに対して安全評価を実施し、その結果を社会に開示している」と説明。有識者や企業・メディアなどからなり、毎年数回開かれる「自動車アセスメント評価検討会」会議の決定に基づき、同機構がテスト車両を購入、専門機関でテストを委託実施すると紹介した。

 そのなかで特筆すべき点として「NASVAの職員は一般客としてディーラーからテスト用車両を購入し、真っ先に重要な部品や装備の現状保守・記録を行うことで、テスト時のイカサマを防ぐ」ことを挙げている。また、同機構の安全評価の重点について、国土が狭く人口が密集している国情を踏まえたうえで「歩行者の保護のウエイトが大きくなっている」点も日本の安全評価の特徴として示した。

 そして、安全性能総合評価は208点が満点で、衝突時における乗車者の保護性能が100点、歩行者の保護性能が100点、シートベルトの使用警告機能が8点という配分になっているとした。さらに、点数による評価に加えて衝突被害軽減制動制御装置(AEBS)、車線逸脱警報装置(LDWS)からなる「予防安全技術分析」も昨年から実施しているほか、夜間歩行者警報装置の評価も計画していると伝えている。

 記事は、2011年に162.6点だった登録車の平均点が13年には176.4点にまで上昇、軽自動車も146.8点から160点となったことも紹介。各メーカーが自家用車の安全性を着実に高めていることの表れであると解説した。

 記事によると、中国の自動車業界関係者も同機関を訪問したことがあるという。いくらメーカーが「安全なクルマを作った」と宣伝しても、消費者との良好な関係が築かれていなければ信じてもらえない。個々の企業による努力も必要だが、行政の音頭で業界全体が参画し、公正・公平な安全評価の実施や結果の開示を通じて業界全体の信頼性を高める取り組みも重要なのである。そしてこの取り組みは、中国における食品の安全性問題にも通じるところがあるはずだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)