中国で活動する欧州連合(EU)企業の団体「中国欧盟商会」は23日に発表したリポートで、中国経済における生産過剰は極めて深刻と指摘。大きな原因として、地方政府による保護主義があると論じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国で活動する欧州連合(EU)企業の団体「中国欧盟商会」は23日に発表したリポートで、中国経済における生産過剰は極めて深刻と指摘。大きな原因として、地方政府による保護主義があると論じた。

 生産過剰の例として、「鉄鋼生産は市場の真の需要から完全に離脱。中国の鉄鋼生産量は日本、インド、米国、ロシアの四大鉄鋼生産国の生産量の2倍」、「2011年から12年までのセメント生産量は、米国が20世紀に作ったセメントの量に匹敵」と指摘した。

 リポートは、中国では工業生産者物価指数(PPI)が45カ月間下落しつづけていることにも触れ「中国の製造業者の収益能力に、深刻な悪影響を及ぼしている」と論じた。

 中国欧盟商会のウトケ(チャイナ代表)主席は、生産能力の過剰が深刻な分野として、粗鋼、電解アルミ、石油精製、ガラス、造船、製紙・段ボールを挙げた。これらの分野では、中央政府が生産能力の過剰を解消しようと努力しているにもかかわらず、結果を出せていない。

 ウトケ氏によると、その大きな原因は地方政府の保護主義だ。地方政府は地元企業にさまざまな助成を実施している。そして、監督力が不十分、資源物資が低価格、投資方向の失敗、知的財産権保護の不足、市場規模の過度な強調などが発生しているという。

 一方で、繊維、玩具、化粧品などの分野では生産能力の過剰という現象は発生していない。市場原理に任せられているからだ。
 ウトケ氏は、「中国は過去10年間にわたり、計画通りに生産能力の過剰問題を解決できず、事態はかえって悪化した。もしも有効に解決できなければ、生産能力の過剰は中国経済の改革の進展に対して、深刻な障害物になるだろう」と述べた。

 中国欧盟商会は2000年に発足。現在の加盟企業は約1600社。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)