洗濯機で使う洗剤がいつの間にかなくなっていたり、書類を印刷しようとして「印刷」をクリックしたら「インクがありません」と表示されて困ったりあせったりした記憶は誰しも1度はあるものです。そんな危機を撲滅できそうな自動注文システム「Amazon Dash Replenishment Service(DRS)」が、アメリカのAmazonで2016年1月から始まっています。

Amazon Dash will now reorder ink for some terribly-named Samsung printers | The Verge

http://www.theverge.com/2016/2/23/11100406/amazon-dash-replenishment-printer-ink-samsung

Samsung Integrates with Amazon Dash Replenishment for Fast and Easy Toner Replacement | Business Wire

http://www.businesswire.com/news/home/20160223005669/en/Samsung-Integrates-Amazon-Dash-Replenishment-Fast-Easy

Amazon.comとSamsungは現地時間の2016年2月23日、プリンターのインク(トナー)残量が少なくなると自動でAmazonに交換用のトナーを発注が行われるシステムの運用を開始しました。このシステムに対応したのは4機種のSamsung製プリンターで、ユーザーがSamsungのスマートフォンアプリを使って事前にトナーのタイプを設定しておくことで、残量が少なくなったことを感知した際に自動でAmazonに対して発注が行われるシステムです。

対応しているプリンターはモデル名が「SL-C430W」「SL-C480FW」「SL-M283DW」「SL-M2885FW」の4機種で、いずれもトナー方式のレーザープリンター。本体価格が99ドルから349.99ドル(約1万1000円〜3万9000円)の手頃な価格帯のモデルとなっています。

Amazon.com: Samsung - Amazon Dash Replenishment: Office Products



この自動発注システムはAmazonが2016年1月に提供を開始した「Amazon Dash Replenishment Service(DRS:Amazon Dash補充サービス)」を利用したもの。プリンターのトナーに限らず、浄水器のフィルターや洗剤、消毒液などの日用消耗品をいくつかそろえたサービスになっています。

Amazon Dash Replenishment Service

https://www.amazon.com/oc/dash-replenishment-service



記事作成時点で取り扱われている商品は、プリンター用インク・洗剤・浄水器のフィルターなどの日用消耗品やペットフードに加え、スマートフォンと連動して血糖値を測定するGmateのSMART血糖値測定端末で使う試験紙や、プールの水質管理を行うSutroのスマートプールモニター用のケミカル(薬品)などがラインナップされており、今後も拡大される見込み。



その利用イメージは、以下のムービーのような感じです。

Amazon Dash Replenishment - YouTube

選択しようと衣類を洗濯機にドサドサッ



しかしここで、洗剤を切らしていることが発覚しました……。



浄水器も、ろ過した水の量が規定に達しそうで赤いLEDが点灯。そんな時こそがAmazonのDRSの出番。この浄水器の場合、ボタンを押すことでWi-Fiとつながり、フィルターの発注をワイヤレスで送信。



注文を受けたAmazonでは出荷の準備が行われ……



配送へと回されます。



そしてフィルターはユーザーの家に到着。無事に製品を切れ間なく使い続けることが可能というわけです。



交換品の注文方法は2通りがあり、アプリやハードウェアに組み込まれたソフトが必要な際に自動でオーダーするパターンと、浄水器の例のように通知を受けたユーザーが手動で注文するパターンのどちらかが使えます。また、AmazonはこのDRS用のAPIを公開しており、自社のサービスに組み込みたいメーカーがすぐに利用できる環境も整えられているとのこと。このあたりは、世界の小売を制覇したいAmazonならではの戦略といえそう。

Amazonではすでに専用のボタンを押すだけで商品がAmazonのショッピングカートに入るAmazon Dash Buttonのサービスを提供していますが、ボタンはあくまで手動でタイミングを見極めるのに対し、DRSはほぼ自動化されている点が大きな違いと言えそう。ユーザーは消耗品を切らして困ることがなくなり、メーカーは確実に商品を販売することができ、Amazonも着実に売り上げを得ることができるという、消費者もメーカーも、そしてAmazonにとってもうれしい仕組みが作られているというわけです。

専用のボタンをポチッとするだけで商品が家に届く「Amazon Dash Button」



今後もDRSを活用するメーカーは増加するものと見られますが、具体的な取扱品目のターゲットは発表されていません。日本での導入がどうなるのか、気になるところです。