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科学技術振興機構(JST)は2月24日、2016年3月18日から21日にかけて茨城県つくば市の「つくば国際会議場」と「つくばカピオ」において、日本全国の高校生が学校対抗で科学の知識や技能を競い合う「第5回 科学の甲子園全国大会」の出場チーム47校すべてが出揃ったことを発表した。

同大会は各学校の生徒6〜8名を1つのチームとして、科学の知識や技能を複数の競技で競い合うもの。各都道府県で実施された代表選考会に参加した高校の数は668校、1179チームで、参加生徒の総数は8261人となっている。

節目の5回目を迎える今回の開催に際し、科学の甲子園推進委員会 委員長で横浜国立大学 名誉教授でもある伊藤卓氏は、「キャッチフレーズである『広げよう科学の輪、活かそう科学の英知』のもと、次世代科学者育成を目指した5つの項目を掲げてここまでやってきたが、振り返ってみると、過去4大会の成績上位校の多くが関東圏もしくは近畿圏であり、中には2度以上、上位に入ってくる高校も出てきた」と、地域的な偏りが見られる傾向がでてきたことを指摘。第5回大会での成績も含め、注視する必要がある可能性を指摘した。

そんな科学の甲子園も第5回大会を開催するに当たって、開催内容の変更点がいくつかある。1番大きいのは、第3回、第4回と、運営の柔軟性向上やスケジュールの関係から3つとしていた実技競技を4つに増加させたこと。ただし、4つ目は「特別競技」という位置づけで、配点がほかの実技の半分とされている。これについて伊藤氏は、「大会運営のスケジュールの問題は、第5回大会でも完全に解決できていないほか、実は当該競技は地方大会でも同様のものが実施されており、その改訂版ルールでの競技という位置づけで、難易度的にもほかの3つの実技競技に比べて低いということもあり、特別競技、という位置づけになった」とその背景を説明する。

4つの実技競技のうち、この特別競技「ゆっくり、正確に着地するパラシュート」ならびに3つ目の実技競技「届け! 光のメッセージ」が事前公開競技となっており、すでに参加各チームは、課題解決に向けた取り組みを進めている。2つの競技を簡単に説明すると、「ゆっくり、正確に着地するパラシュート」は、20枚のコーヒーフィルターと木綿糸、ワッシャーを用いて、60分以内にできるだけ正確に着地するパラシュートを制作し、6mの高さから真下の的に向けて投下するというもの。開催初日の3月18日の夕方に第1回目の投下コンテストを、翌19日の昼前に第2回目の投下コンテストが実施され、その合計点を競うものとなる。一方の「届け! 光のメッセージ」は3月20日の午前中に開催される競技で、8×8のマトリクスシートに記載された文字を、RGBのLEDを用いた色の情報として、光ファイバを介して送信し、受信側のカラーセンサとマイコンボードで文字列として復元する仕組みを75分で作り、64文字のメッセージをどれだけ速く受信側で再現できるかを競うというものとなっている。

また、そのほかの注目点としては、初出場が14校あり、第1回から第5回大会まで連続出場を達成している常連校9校などを相手に、どこまで旋風を巻き起こせるか、といった点や、もはやおなじみとなったご当地問題が今回も出題されるのか、といった点などが挙げられる。ご当地問題としては、非公開の実技競技が該当する可能性があるが、競技分野としては「生物」もしくは「物理」が予定されている。

さらに、20日の表彰式の前には、特別シンポジウムとして、113番目元素を発見した理化学研究所の森田浩介グループディレクターが登壇して、未来の科学者たちに向けたメッセージが語られる予定だ。

出場47チームのうち、公立校が34チーム、私立校が13チームという内訳で、そのうち男子が294名、女子が66名。ちなみ中学生を対象としている「科学の甲子園ジュニア」に出場した経験を持つ選手は36名(全国大会経験者はそのうち14名)で、常連校の1つである滋賀県立膳所高等学校チームには3名が在籍している。このほか、3年ぶり2回目の出場となる群馬県立高崎女子高等学校が女子のみで構成されるチームとして活躍が注目されるほか、初出場ながらスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている東京都立小石川中等教育学校なども、その活躍が注目される。この小石川中等教育学校の生徒と同じく出場チームである福島県立安積高等学校の生徒は、当日の会見にも参加してくれており、各々が優勝に向けた豊富を語ってくれていた。

なお、選手宣誓チームをその場で決定するくじ引きが第3回以降の恒例行事となっており、初出場の兵庫県立尼崎稲園高等学校に決定となっている。

各都道府県の出場高校は以下のとおり。

(小林行雄)