マンモグラフィは30代から受診しよう (shutterstock.com)

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 今年1月、国立がん研究センターが「がん患者の10年生存率」を初めて公表した。女性に多い乳がんは80.4%という結果だったが、5年生存率88.7%と比べると、生存率は下がっている。

 最先端医療などで、がんの生存率が高まる一方、乳がんのように再発の危険がある部位があることは見逃せない。当たり前のことだが、定期的なチェックとケアが重要になってくる。

 では、実際に定期的に乳がん検診を受けている女性はどれくらいいるのだろうか?

 「乳房をはさみこんで押さえつけるマンモグラフィ検査は痛くていや」「まだ30前、乳がん検診なんて」「つい忘れちゃって」などを理由に検診を遠ざけている人は少なくない。

 これを裏付けるように、厚生労働省の検診調査によると43.3%(調査対象年齢20〜69歳、2013年度)とまだ半数にも満たず、検診への意識が低いのが現状だ。

乳房が石灰化! ところが90%以上が良性

 乳がん検診はマンモグラフィ(精度の高い乳房の樟検査)と触視診のセットで行われている。これにエコー検査が加わることもある。マンモグラフィは乳房を圧迫板ではさんで撮影するので痛みを伴う。しかし、画像の精度は高い。

 検査後、マンモグラフィの撮影画像を見た医師から「石灰化がある」と言われることがある。石灰化とは「乳腺の中にカルシウムが沈着したもの」、つまりカルシウムの塊だ。実際に検診などで発見される石灰化は、乳腺症などによる良性が90%以上だ。

 石灰化の原因は矛盾するようだが、カルシウム不足から起こる。摂取するカルシウムが足りないと、それを補うために骨を溶かしてカルシウムを補充しようとする。骨から出た大量のカルシウムは血液からあふれて、結果的に骨や血管、細胞に沈着してしまう。乳房、肩関節、血管など体の至るところにカルシウムが沈着して石灰化する。加齢とともに石灰化が進み、時に痛みを伴うこともある。
乳がんは「しこり」だけじゃない

 「乳がんと聞くと、乳房にコリコリした"しこり"ができると考えがちだが、それだけではなく、しこりを作らない乳がんもある」と京都府立医科大の内分泌・乳腺外科がHPで丁寧に解説している。

 それは「乳管内がん」と呼ばれ、早期の乳がんに当たる。乳管内がんは乳管から外に出ないで乳管の中を這うように広がる。がんが広がった時に残す足跡(死んだがん細胞)が石灰化だ。

 検診後の説明で、ぽつんぽつんと白点があるのは問題ないが、極小の白点が密集して広がっているのがよくない石灰化だと、専門書で症例を示しながら悪性石灰化を説明してくれる医師もいる。

 良い石灰化、悪い石灰化を診断するには、マンモグラフィによる乳がん検診が最善だ。この検診で良悪不明という場合は、さらに石灰化の精密検査を行うことになる。

 石灰化が小さすぎてほとんど写らないことが多いので、このようなケースでは「乳腺ダイナミックMRI検査」や「ステレオガイド下マンモトーム生検」などの特殊の精密検査や病理検査をする。精査した石灰化でがんが発見されるのは約20%だそうだ。

 体の曲がり角でもある40代、がんの発症もピークに達する。数字的に見ると、40〜44歳の全がんは11749件、うち乳がん5490件で全体の46.7%を占める。45〜49歳では全がん16286件、うち乳がん8033件で49.3%(日本のがん統計2010データから)。40代後半で乳がんが全がんの半数を占めている。

 良性が大半といえども、マンモグラフィによる検診は30代のうちからぜひ受けていただきたい。
(文=編集部)