銀行が破たんしたら貯金はどうなる?知っておきたいお金の行方

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2000年前後の数年で、地方銀行や信用金庫、信用組合、さらには日本長期信用銀行や日本債券信用銀行まで破たんして、ビックリした人も多いはず。

けれど、当時の銀行破たんでは、緊急措置として預金保険で預金が全額保護されたため、一般の預金者に被害がおよぶことはありませんでした。

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ところが、2005年4月からは、普通預金や定期預金といった預金保険対象の預金も「一金融機関ごとに預金者一人当たり元本1000万円とその利息」までしか保護されなくなったことをご存知ですか?

そこで今回は、預金が全額保護されなくなった今、“銀行が破たんした場合に私たちの貯金はどうなってしまうのか”をご説明していきたいと思います。
破たん処理の違いによって預金保護のされ方が違う
2005年4月以降、銀行の破たん処理の方法は、実質的に以下の3通りです。

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▼1:破たん銀行がほかの銀行に救済合併される。

▼2:破たん銀行が一時国有化され、預金保険機構によって経営再建される(例:2005年の足利銀行)。

▼3:破たん銀行は救済も再建もされず、民事再生法による倒産手続が始まる(例:2010年の日本振興銀行)。預金保険機構は金融整理管財人(破産管財人のようなもの)として、破たん銀行の資産の管理と処分を行い、預金者の希望に応じて預金の払い戻し行う。

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1の場合は、破たん銀行はそのまま救済した銀行に引き継がれるため、預金者の預金は無事です。2の場合も、破たん銀行は業務を続けながら再建されるため、預金者の預金はそのままキープされます。

なので、1、2の場合は、1000万円を超える貯金があっても、外貨預金などの預金保険対象外の預金があっても、全額無事ということです。

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問題は3の場合です。この場合、預金者は預金の払い戻しを要求できますが、払い戻されるのは預金保険の保護の対象となる「一人当たり元本1000万円とその利息」までになります。

ただ、元本1000万円を超えた部分や、外貨預金などの預金保険対象外の預金については、破たん銀行の倒産手続後にまだ財産が残っていれば、預金額に応じて払い戻しを受けることができます。

けれど、ほとんどの破たん銀行は債務超過に陥っているため、保護されない部分の預金について、十分な払い戻しを受けられる可能性は低いです。実際に、2010年に破たんした「日本振興銀行」の例では、保護されなかった預金は半分近く返ってこなかったようです。
銀行が破たんして倒産手続に入った場合でも、すぐに預金はおろせるの?
上記のケース3のように本格的な破たん処理が始まった場合でも、実際には「名寄せ」と呼ばれる作業が終われば預金はおろせるようになります。

「名寄せ」とは、普通預金口座、定期預金口座、外貨預金口座などと複数の口座にわたって預金を持つ預金者がいるため、一元管理して保護される預金額を確定する作業のことです。

ただし、引き出せる預金は預金保険で保護されている預金のみで、金額は「元本1000万円とその利息」までです。それは、元本1000万円を超えた部分や預金保険対象外の預金については、倒産手続が進まないと“いくら返せるのか”がわからないからです。

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まとめると、預金保険で保護されている預金はしっかり保護されていて、いつでも引き出し可能ですが、預金保険の保護対象ではない預金はいくらがんばってもすぐには引き出せません。なので、「預金をおろそうと銀行に殺到する」という取り付け騒ぎは“やるだけムダ”ということになります。
本当に利息も保護されるの?
これは、破たん日までの利息が保護されます。例えば、定期預金を持っていて、満期日が何年かあとの場合でも、定期預金を預けたときから破たん日までの利息までしかつきません。