子づくりも綱取りも、まずはしっかり睡眠から(イラスト・サカタルージ)

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「ねえ〜ん、あなた〜♪」「最近、寝不足なんだよ。勘弁して」。奥さんのおねだりを断り、布団の中でプイと横を向いたアナタ。

ひょっとして、ソレ、疲れて調子が悪いのではなく、睡眠障害が原因で起こるED(勃起障害)の心配がある。軽く考えずに専門医に診てもらっては。

1日5時間の睡眠を1週間続けるとトホホな結果に

慢性的な寝不足などの睡眠障害がEDのリスクを高めていることは、泌尿器科の専門医の間では常識だ。EDと睡眠障害の関係は非常に強く、米国の研究では、睡眠時間をわずか1週間、1日7時間前後から5時間に減らしただけで、EDになるリスクが10〜15%上昇したというデータもある。毎日しっかり睡眠をとることが、オトコの機能に一番大事なのだ。

その理由の第1は、性欲を高める男性ホルモンのテストステロンが睡眠中に分泌されるからだ。ホルモンのほとんどは睡眠中に分泌されるが、特にテストステロンは深夜から明け方に出るのが特徴だ。午後10時から午前2時がピークで、朝まで続く。いわゆる「朝立ち」が起こるのはこのためだ。昼間の方が女性と接する機会が多く、性的刺激を受けやすいのに同様の現象が起こらないことを考えても、いかに睡眠中にテストステロンの分泌が集中するかわかる。

専門医のサイトをみると、睡眠障害の中でも、とりわけ「睡眠時無呼吸症候群」にEDになるリスクが高いという。ドイツの研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者でEDを併発している人は68.8%に達した。また、EDではない人でも48%に性欲低下の兆候が見られたという。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まったり、弱くなったりを繰り返す病気だ。眠りが浅いので昼間に眠くなったり、集中力が下がったりする。太っている人や首の短い人、喫煙している人に多い。のどの周辺の肥満や扁桃腺の肥大、舌根(舌の根元)の肥大などで気道がふさがれるのが原因だ。

美人妻が多い力士は睡眠障害が「職業病」だが......

なぜ、睡眠時無呼吸症候群になると、EDになるリスクがぐんと高まるのか。睡眠中にしっかり呼吸できていないので、酸素を血液中に取り込めない。すると、高血圧や動脈硬化を引き起こし、血液がドロドロになる。勃起はペニスの毛細血管のすみずみに血液が流れ込み、スポンジ状の海綿体に血液が充満して起こるが、血液がドロドロではペニスへの血流が滞ってしまうからだ。

睡眠時無呼吸症候群は、医師の処方で人工呼吸器マスクをつける治療法があり、実は、太っている人が多い相撲取りの「職業病」といわれる。2016年2月9日放送の「中居正弘のミになる図書館」(テレビ朝日系)では、琴奨菊関や豊ノ島関ら力士たちが出演した。2人とも睡眠時無呼吸症候群に悩まされ、「夜はもちろん、昼寝の時も人工呼吸器マスクをつけて寝ている」と打ち明けていた。

番組で昭和大学藤が丘病院の佐々木春明副院長(泌尿器科)が「EDになりやすいですよ」と指摘すると、角界随一の美人妻(元歌手・竹内沙帆さん)を持つ豊ノ島関は「ひゃ〜、EDになるんですか!」とショックを受けた。しかし、佐々木医師が「(マスクをつけ)しっかり寝ていれば心配ありません」と励ますと、ひと安心の様子。

テストステロンのほとんどは、睡眠中と運動中に分泌されるという。運動すれば夜もよく眠れて一石二鳥だ。相撲取りもみっちり稽古し、しっかり寝ている。月並みな結論だが、しっかり運動しよう。