中国メディア・中国経済新聞網は19日、中国人観光客の「爆買い」に変化が生じつつある状況のなか、中国人消費者の目が中国国内製品に向かない理由について考察する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・中国経済新聞網は19日、中国人観光客の「爆買い」に変化が生じつつある状況のなか、中国人消費者の目が中国国内製品に向かない理由について考察する記事を掲載した。

 記事はまず、今年の春節(旧正月)期間中に600万人の中国人観光客が海外を訪れ、900億人民元(約1兆5500億円)を消費するという過去最高記録を作ったと紹介。観光客らはこれまでの高級品やスマート便座、電子炊飯器といったハイエンド製品から、低価格な日用品へと「爆買い」の対象を転換しつつあることが明らかになったとし、この変化から「中国人消費者がより高い生活の質を求めていることが浮き彫りになった」と説明した。

 そのうえで、国外の日用品が売れて国内製品の人気がない背景として「国内の物価上昇によって値段が高くなる一方で、品質やブランドイメージがこれに伴って上昇しておらず、コストパフォーマンスが悪くなっている」と論じた。

 さらに、「15年前に親戚が日本から持ち帰った爪切りが、いまだに現役の第一線で活躍している。日本のものは低く見積もっても20年は使えるというのに、国産品は2年も経たないうちに廃品回収待ちだ」とする消費者の意見を紹介。ネットショッピング企業の幹部も「そもそもの原因は、中国産の品質が消費者の期待するレベルに届いていないこと」と語ったことを併せて伝えた。

 かつては「安かろう悪かろう」でも売れる状況にあったのが、生活レベルの向上によってより質の高い生活を求めるようになった。にもかかわらず、中国製の日用品はこの流れに乗っかることができず、依然として低品質の製品生産に甘んじている。品質が変わらないのに物価の上昇に価格だけがスライドしていては、消費者から見離されるのも致し方なし、といったところか。

 ただ、中国の製造業がこれからもずっと従来と同じ姿勢で進むとは考えないほうがいいかもしれない。消費者のニーズこそ産業を成長させる大きな要素であり、中国人消費者の志向の変化は中国の製造業が品質重視、付加価値重視型へとシフトしていく重要な契機となるはずである。食品や高級品に加え日用品ですら「海外至上志向」が高まりつつある現状に内心で悔しさを抱いているのであれば、中国の製造業もやがては自国消費者を振り向かせるチャンスがやって来るだろう。ただし、「恥辱」などといった言葉を用いて騒いでいるだけではダメなのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)