iPhoneを非正規業者以外で修理すると発生するリスクが生じる「エラー53」問題。最悪の場合、起動できなくなってしまうという危険性を含んでおり、アメリカではすでに訴訟問題にまで発展しているほど大きな問題だ。しかし、Appleからアップデートの告知はなく「エラー53」と聞いても、ピンと来ない人も多いはず。そこで、どういったケースで「エラー53」が発生し、どのような影響を及ぼすのか。そして問題を回避するために必要な対処方法を紹介していくことにしよう。

◆普通に使っている人には、基本的に無縁のエラー

 Appleが提訴され、緊急対応を行ったことで大きな話題となった「エラー53」問題。そもそも、このエラーは指紋認証機能が搭載されるホームボタンを非正規の業者で修理した際に発生するというもの。このエラーは、関連付けられているiPhoneのメイン基盤とホームボタンから異なる情報が検出された場合に発生するものとなっている。これは、ホームボタンに搭載される指紋認証機能がロック解除はもちろん、アプリ購入などの決済にも利用される性質上、セキュリティを高めるための機能として導入されていたものだが、それが逆に仇となってしまった格好だ。厄介なことにこのエラーが発生すると、iPhoneが利用できなくなるといった深刻な症状を引き起こすため、大きな問題となっている。

 しかし、このエラーが発生するのは“ホームボタンを非正規業者で交換する”といった条件が必要となるため、普通に利用しているユーザーなら基本的に無縁と言えるだろう。ただし、iPhoneに落下などの衝撃を与えてディスプレイを割ってしまった場合、非正規の業者に修理を依頼するとホームボタンが同時交換を勧められるため注意が必要となる。

◆iTunes経由でアップデートしたユーザーはご用心!

 現在配布されている、最新のiOS9.2.1では、この「エラー53問題」は解消されているが、iTunesを使ってパソコン経由でアップデートを行った場合は、「エラー53」が発生する可能性がある。この場合、iTunesを使ってiPhoneの復元操作を行うことで対応版のiOS9.2.1を適用することができる。なお、この操作によるデータの消去は行われない。

 また、LTEやWi-Fiなどの回線を使ってiPhoneから直接「iOS9.2.1」へアップデートした場合、「エラー53」は発生しないようだ。

◆iTunes経由でiOS9.2.1を導入した場合の復元方法

 iPhone本体でOSのアップデートを行っている人が多いため、該当する人は少ないと思われるが、もしパソコン経由でアップデートを行った人は、下記の手順で対応版のiOS9.2.1を適用できる。

手順01:パソコンでiTunesを起動している場合、iTunesを終了する。
手順02:iOSデバイスがコンピュータに接続されている場合は、接続を解除する。
手順03:iTunesを最新版にアップデートする。
手順04:USBケーブルでiOSデバイスをパソコンに接続する。
手順05:iTunesを開いて、デバイスを選択する。
手順06:iTunesに「復元」または「アップデート」のオプションが表示されたら、「アップデート」をクリック。
手順07:Appleロゴの画面より先に進まない場合は、iOSデバイスを強制的に再起動する。※
手順08:iOSデバイスの「こんにちは」画面が表示されたら、画面の案内にそってデバイスの設定を進める。
※電源ボタンとホームボタンを同時に10秒以上押し続け、ロゴが再び表示されればOK

 発生条件が限られているとはいえ、生活に密着するiPhoneが起動しなくなるのは一大事であることは言うまでもない。

 古いiOSを利用している場合はもちろん、最新版を使っているユーザーであってもパソコン経由でアップデートを行っている場合は、トラブルを未然に防ぐために復元操作を行っておくことをオススメしたい。<文・写真/古作光徳>

【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。