地域によって無料や割引価格(KDDI提供の血液検査サービス「スマホdeドック」より)

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 生活習慣病の予防のため、2008年から40~74歳の健康保険加入者を対象に導入された「特定健診」。いわゆるメタボ健診の実施率が伸び悩んでいる。

 2013年度の受診者数は約2537万人で、実施率は47.6%にとどまった。最新の2014年度の集計でも、国の目標である70%を達成した都道府県はゼロ。特に女性や被扶養者の受診率が低いようだ。

 健診の大切さを自覚していても、仕事や家事で忙しいため病院に行けない人も多い。そんな人に便利なのが、昨年4月からKDDIが提供している血液検査サービス「スマホdeドック」。

 自宅にいながら簡単に血液検査ができ、一般的な健康診断とほぼ同等の検査結果が得られるというものだ。

2滴の血液で14項目が検査できる

 インターネットから「スマホdeドック」を申し込むと、自宅に検査キットが送られてくる。

 小さな針がわずかに飛び出す専用器具を使い、指先から約2滴分(0.065mL)の血液を採取。使用済みキットと共に返送すると、約1週間後にインターネットを経由し、検査結果をスマホやPCで見ることができる。

 検査できるのは血糖、尿酸、中性脂肪、コレステロールなど14項目。これらの結果から、脳卒中や心筋梗塞につながる糖尿病、脂質異常症(高脂血症)を始め、アルコール性肝硬変や慢性腎臓病の発見につながる可能性がある。

 各検査項目の内容や、悪化した場合の疾病リスクもネット上で一目瞭然。気になる病名を検索できる専用のページもある。

 自分に関係のある項目だけを確認するのも簡単だ。もし検査結果から医療が必要と判断された場合には、近くの病院も表示してくれる。

 手軽にできる半面、検査の信頼性はどうなのか。それを確かめるため、微量血液分析研究所が検査キットと一般的な腕からの採血による検査結果を比較してみると、14項目とも高い精度で一致が見られた。

 一致の度合いを表す相関係数(相関なしで0、完全一致で1)も0.923~0.998となり、高い信頼性が確かめられている(出典・臨床検査誌2015年5月『在宅医療革命』)。
健診を受けないリスクが明白に

 昨年、全国約15万人を対象に自治体や健康保険組合が参加者を募集し「スマホdeドック」を使った実証事業を行ったところ、約2万人が参加した。

 事前の調査で、検査を希望する被験者のうち「健診をここ数年受けていない」と回答した人は、39歳以下で65%、40歳以上では88%を占めていた。

 「スマホdeドック」の検査結果は項目ごとにA(基準値内)、B(軽度異常値)、C(高度異常値)、D(医療の必要あり)の4段階に分類される。

 今回の実証事業での検査結果を集計したところ、比較的高度の異常があるCかDの判定が出た人の割合が、20~24歳の若い世代でも34%に上った。

 年齢とともにその割合は多くなり、30代は39%。40歳を超えるとグンと上がり、40~44歳で47%、45~49歳で56%。60~64歳では、高度異常の判定があった人が全体の85%にものぼった。

 日頃これといった自覚症状がない人でも、年齢と共に病気のリスクが確実に高くることを反映しているといえる。

 さらに検査が終わったあとの追跡調査では、D判定(医療の必要あり)とされた人のうち39歳以下では約6割、40歳以上では約8割の人が、医療機関を受診するなどの行動を起こしたという。

 検査結果をより分かりやすく示し「可視化」することで、実際に被験者の生活を改善する一定の効果が現れた。

通常価格は4980円(税別)

 KDDIは2016年度、自治体や健保向けの「スマホdeドック」にプラスアルファのサービスを加える考えだ。

 高度異常値が出た人への受診勧奨や行動改善サポートをしやすくするため、検査結果をソートする機能や、被検者に個別にメッセージを送信する機能も用意する。

 ついつい健診が後回しになっている人にとって、手軽な血液検査は健康状態を客観的に知るきっかけになるだろう。

 個人で申し込みの通常価格は4980円(税別)。地域によっては無料や割引価格で利用ができる。健診から遠ざかっている人は、一度利用してみてはどうだろうか。
(文=編集部)