お兄ちゃんには弟にない苦労が色々ある(写真はイメージです)

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昔から長男・長女は、弟や妹より喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が多いと言われてきたが、米サウスカロライナ大の研究チームがそのメカニズムを突きとめ、2016年2月、米国胸部疾患学会で報告した。

母親の子宮の中にいる時からアレルギーになる「運命」が決まっていたという。

食物アレルギーは弟妹たちより14〜54%増

第1子にアレルギー疾患が多いことは、滋賀県立保健センター小児科部長の楠隆医師が2011年に米の学会で報告したデータがある。楠医師らは7〜15歳の子ども約1万3000人の保護者からアンケート調査した結果、第1子はアトピー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギーになる割合が高かった。

たとえば、食物アレルギーの有病率をみると、第1子では4%、第2子では3.5%、それ以降に生まれた子では2.6%だった。弟妹たちより14〜54%の割合で高かったのだ。ただ、なぜそうなるかは明らかにしていない。

米サウスカロライナ大の研究チームは、約1200人の新生児の臍帯血(さいたいけつ=へその緒に含まれる血液)を調べ、「IgE」(免疫グロブリンE)と呼ばれる抗体の量を測った。IgE はアレルギー反応の因子の1つで、IgEの量が多いほどアレルギー体質が強いことになる。

その結果、第1子は、それ以降に生まれた子よりIgEのレベルが高い傾向にあった。第1子は、IgEを生み出す遺伝子の多様性の頻度が高く、胎児の段階で、ある程度アレルギー疾患になりやすいことが決まっていたという。ただし論文では、なぜ第1子にIgEを生み出す遺伝子の多様性の頻度が高くなるのかは明らかにしていない。