目入れや護摩祈願で春も開運!調布市の深大寺で「厄除元三大師大祭」と「だるま市」

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厄除けにご利益がある大師様を祀る、調布市の深大寺。通称“元三大師(がんざんたいし)”と呼ばれる大師様は、観音菩薩の化身と考えられていて、厄除けに力を発揮するという。毎年、山門の梅が見ごろを迎える時季に行われるこの大師様をたたえるお祭りは、春の風物詩として近隣で親しまれているそう。

2016年3月3日(木)と4日(金)、深大寺では「厄除元三大師大祭(やくよけがんざんだいしたいさい)」と「縁起だるま市」を開催。「厄除元三大師大祭」は深大寺最大の行事で、比叡山を復興した「慈恵大師良源」の遺徳をたたえる縁日なのだとか。その歴史は古く、江戸時代の文献にも参拝者でにぎわう様子が記録されていたほど。

大師様のご威力にあやかる「縁起だるま市」は、静岡県の「富士だるま市」や群馬県の「高崎だるま市」と並んで、「日本三大だるま市」のひとつにも数えられていて、今でも毎年、6万人あまりの人々が訪れるとか。境内には「縁起だるま店」を中心とした露店が300店以上も並ぶので、お祭り気分も十分に楽しめるはず。

「ダルマは500円くらいの小さいものから、数万円という高価なものもあります。最近は赤だけでなく、カラフルなものやキャラクターのダルマなどもあるので、お好みに合わせて選ぶ楽しさも増えたようです」と、深大寺の山田さん。

買ったダルマを元三大師堂前にある特設の「だるま開眼所」へ持って行くと、深大寺の僧侶が「目」を入れてくれるそう。このときに、左目にものごとの始まりを意味する「阿(あ)」の文字を入れ、願いがかなってから終わりを意味する「吽(うん)」の文字を入れるのが、深大寺独特のやり方なのだとか。
「厄除元三大師大祭」のクライマックスは、両日とも14時から行われる「お練り行列」。これは、きらびやかな法衣を身に付けた僧侶たちが、山門から大師堂へと大師様に捧げる供物を届けるもの。伝統的な衣装の雅楽衆や勇ましい法被(はっぴ)姿の木遣り衆などとともに、豪華な袈裟(けさ)姿の高僧が境内を進む様は、まるで平安時代の絵巻物を見ているよう。

大師堂では、大師様の前に供物がずらりと並べられ、比叡山以外ではめったに聞くことのできない天台宗に古くから伝わる「聲明(しょうみょう:お経に節をつけた仏教音楽)」が、雅楽とともに奉納されるとか。


また、元三大師堂では、10時から16時まで毎時ごとに厄除けの「護摩祈願」も行われる(14時の回のみ、一般参拝者は入堂不可)。祈願をするには、護摩祈願の始まる15分前までに受付で申し込み済ませておくこと。願い事を書き入れる「護摩札」は3000円から。

「護摩祈願は『仏の智慧の火』で煩悩を焼き尽くし、願いを元三大師様にお伝えするもの。厄除けはもとより、縁結びや合格祈願など、それぞれに諸願成就を願ってお越しください」(同)

梅が見ごろの深大寺で、好みのダルマに目を入れて、さらに護摩祈願をすれば、春の開運準備が整うかも。