運転が楽しいクルマはロングドライブも気持ちいい。3日間を費やし1621キロ走った今回のドライブで得た最大の収穫はそれだった。ロードスターのような小さな車体のクルマは一般的には長距離移動が疲れやすいと言われるし、エンジンも最高出力131馬力と誇れるほどではない。スペックでいえば、ロングドライブは「運転も同乗も疲れる」と思われて当然だ。

しかし現実には、特に激しく疲れることはなかった。もちろん長時間で長距離の移動だから疲れたことは疲れたのだけど、それがロードスターだから(もっとロングドライブに向いたクルマより)疲れたとは感じなかったのだ。

その理由のひとつが、運転が楽しかったこと。たとえば峠道を走る時など、新型ロードスターは抜群に楽しい。でもそれだけじゃなくてその楽しさの要素が高速道路や一般道を走る時でもしっかりと生きているのだ。

たとえば操縦性。曲がるときにステアリングを切ると、ドライバーが思った通りに素直に曲がるというのが新型ロードスターのいいところだ。それが一部の過激なスポーツカーのように速く走ったときだけ楽しいのではなく、ちょっと速いくらいのペースでもゆっくり走っても気持ちいいのが新型ロードスターのとてもいい部分。そんな楽しさが高速道路のちょっとしたカーブはもちろん車線変更でも、遅いペースで峠道を走っているときでも心地よく、長時間運転のストレスにならないからだと思う。

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先代の2.0Lからダウンサイジングした1.5Lエンジンは太いトルクを最高出力がものを言う高速道路におけるツアラーとしては力不足。……と思いきや、驚くことにそれを感じなかった。その理由は今回のクルマがMTだからトルクやパワーをドライバーの思い通り引き出せたこともあるだろうが、それだけではない。意外と粘り強く、「シフトダウンしたほうがいいかな」と思えるような加速でもそのままアクセルを踏むだけで速度を上げてくれる懐の深さが貢献している。高圧縮により小さな排気量の割に低回転のトルクが太い新型ロードスターのエンジンは、思っていた以上に潜在能力を持っているのだった。

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ボクはかつてアメリカでドライブ旅行をしたとき、レンタカーにクルーズコントロール(アクセルから足を離しても速度を一定に保つ仕掛け)が付いていなくて苦い思いをしたことがある。その時は最悪のペダルレイアウトのせいで走行中に右足がつってしまったほどだ。

だからロードスターでロングドライブに出かけることになったときには、クルーズコントロールが採用されていないことを不安に思った。しかし、半分くらい走ったときには「まあなくてもいいかな」と気持ちが変化していたことに気が付いたのは本当だ。その大きな理由はやはり、最近のマツダがとても気にしている「理想的なドライビングポジション」だろう。ドライバーを中心に左足で踏むフットレストと右足で踏むアクセルが左右対称となるようペダルを配置。これが左右非対称だと身体に微妙な“ねじれ”を生み、その歪がストレスとなって身体を疲れさせるのは目に見えている。そういった配慮がロングドライブでもドライバーの疲労低減に直結しているのは明らかだ。

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※その3に続きます。

(文:工藤貴宏/写真:小林和久)

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