昨今の日中関係は決して良好ではないが、それはあくまでも政治においての話だ。多くの中国人旅行客が日本を訪れていることから、民間では経済的な動機が中心とはいえ、中国人旅行客を歓迎する動きが日本全国に広がっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 昨今の日中関係は決して良好ではないが、それはあくまでも政治においての話だ。多くの中国人旅行客が日本を訪れていることから、民間では経済的な動機が中心とはいえ、中国人旅行客を歓迎する動きが日本全国に広がっている。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、訪日中国人が日中関係を知らないうちに正常化させていると伝え、中国人旅行客が日中の関係改善に非常に大きな影響力を及ぼしていると論じている。

 記事はまず、日中双方において近ごろ、「日中関係」についての報道がめっきり減少していると指摘。つまり日中関係の緊張について論じるメディアが減ってきているという意味であり、その代わりに日本メディアは積極的に訪日中国人の動向について報じていると紹介。また、中国メディアも中国人旅行客が日本で体験した行き届いたサービスなどを相次いで報じるようになったと伝えた。

 続けて、数年前の日中関係は谷底にあったものの、訪日中国人が日本で経験した数々のすばらしい旅行体験を身近な人に話すだけでなく、ネット上にも公開するなどして「日本の宣伝役」を自ら買って出ているとし、「訪日中国人が日中関係を改善させている」と主張。

 例えば日本のきめ細かいサービスは、中国人に「神様」になったかのような体験をさせ、高品質の日本製品、おいしい食事、街の清潔さなど、中国人旅行客は日本で忘れられない体験をしている。こうした体験について、中国人自らが宣伝することで中国国内における反日感情が薄れてきているようだ。中国メディアはこうした中国人旅行客の体験を伝えており、記事に触発された読者を日本旅行へと突き動かしている。そして、こうした中国人も今度は自ら宣伝役となってさらに多くの中国人に日本旅行の体験を広めるという正のスパイラルが生じている。

 記事は日中間に依然として領土や歴史認識の違いといった問題が存在していることを認める一方、それでも訪日中国人が増えるにつれ、両国間の理解はどんどん進むだろうと予測。また、中国人旅行客のマナーの悪さに対しても「日本人は順応する能力が高いので大きな問題にはならないのではないか」と論じている。

 中国では頻繁に抗日ドラマが放送されている。そうした日中関係を緊張させる要素があるとしても、訪日中国人は着実に増えており、16年もこの勢いは衰えないだろう。日中の良好な関係は両国間にさらに大きな発展の機会を生み出す可能性を秘めているが、緊張した日中関係は両国に有益なものは何ら生み出せないと言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)