中国航天科技集団公司は18日、公式サイトで「1996年に長征3Bの初の打ち上げが失敗し、500人以上が死亡」という情報はデマだとする声明を発表した。16日の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)への投稿に対応したものと考えられるが、極めて神経質な対応だ。(写真は16日に投稿された微博への上記投稿)

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 中国航天科技集団公司は18日、公式サイトで「1996年に長征3Bの初の打ち上げが失敗し、500人以上が死亡」という情報はデマだとする声明を発表した。16日の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)への投稿に対応したものと考えられるが、極めて神経質な対応だ。

 中国航天科技集団公司は、ロケットの開発は人工衛星打ち上げなどを請け負う国有企業だ。18日の声明では、1996年2月15日の打ち上げ失敗事故そのものは認め、「点火2秒後でロケットの姿勢に発生し、22秒後は先端(の積み荷)部分が脱落し、ロケット本体は打ち上げ場所から2キロメートルに至らない山腹に墜落し、激烈な爆発を引き起こした。この事故で6人が死亡し、57人が負傷して病院で治療を受けた」と説明した。

 中国航天科技集団公司は、当時の人民日報や中国航天報が、事故原因の調査についても逐次報道をしたと説明。事故原因とされた製造上の品質問題も、水準の向上に不断に努めた結果、2011-15年の第12期五カ年計画中、中国航天科技集団公司は「86基のロケット打ち上げ/衛星138基の軌道投入」を試みたが、成功率は97.7%だったと説明。特に2015年はれた製造上の品質問題も、水準の向上に不断に努めた結果、2011-15年の第12期五カ年計画中、中国航天科技集団公司は「19基のロケット打ち上げ/衛星45基の軌道投入」にすべて成功したと強調した。

 中国航天科技集団公司は、打ち上げ失敗から原因特定にいたるまでの新聞紙面も紹介した。

 同声明は、16日に微博に「大爆発:中国の長征3Bが初飛行に失敗」と題する投稿があったことに対応したとみられる。微博への投稿者は、グーグル(google)で関連動画を検索できる英語のキーワードも紹介した。19日午前11時15分(日本時間)も閲覧できる状態だが、微博運営側によると思われる「この内容は規則違反と判断されました。通報された人(投稿者)は訴えられました」との表示がある。

 中国では「公式に認められていない」事故や事件の情報を発表した場合、罪に問われる場合がある。「告発」の対象が、政府や政府要人、重要企業などの「力のある存在」である場合にはなおさらだ。

 しかし、20年以上も前の話で、その後は順調に実績を積み重ねていることも広く認められている中国航天科技集団公司が、当時の報道という「資料」も添付して、神経質に反論してきたことには、やや特異性を感じざるをえない。
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◆解説◆
 中国は、1995年1月26日に西昌衛星発射センターでの長征2E型ロケット打ち上げに失敗。爆発で20人以上が死亡したと見られている。上記記事は、次の打ち上げだった96年2月14日の事故についてのものだ。同事故では、「インテルサット708」の軌道投入を目的とする打ち上げだったため、現場に米国人技術者がいた。米国人技術者は、打ち上げの見物に来ていた周辺住民数百人が死んだのは間違いないと思うと述べた。

 中国の公式発表では、ロケットは発射センターの職員用住宅に墜落し、死傷したのは職員の家族などで、一般住民にの死傷については言及していない。(編集担当:如月隼人)(写真は16日に投稿された微博への上記投稿)