運転をしていても、やめても不安は尽きない?

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車の運転をやめた高齢者は、抑うつ症状になったり、急激に身体能力が衰えたりするリスクが高くなる――そんな研究結果が米ニューヨーク州コロンビア大学メディカルセンター、ニューヨーク大学の研究チームによって発表された。

研究では、高齢者が運転を中止した際の健康状態の変化についての米国、オーストラリア、フィンランド、クウェートの論文16件を分析。14件の論文は65〜75歳以上のドライバーを対象としていたが、2件は55歳以上が対象となっている。

その結果、運転をやめたことで起きうるリスクとして「総合的な健康状態の悪化」、「社会的な興味の低下」「運動意欲の低下」などがあげられ、気分の落ち込みといった抑うつ症状が現れるリスクは、運転をしていたときの2倍になっていた。さらに、療養施設や介護施設などに入所する必要があるほど身体能力が低下するリスクは、運転をやめてしまうと5倍になるという。

研究者らは、認知、判断能力が低下した高齢者の運転は危険であり、安全の面から運転をやめる必要があるのは事実としつつ、「運転をやめれば健康状態は悪化するものと考え、その後の適切なフォローを用意すべき」とコメントしている。

発表は米国老年医学会誌「Journal of the American Geriatrics Society」オンライン版に、2016年1月19日掲載された。

参考文献
Driving Cessation and Health Outcomes in Older Adults.
DOI: 10.1111/jgs.13931. PMID: 26780879

(Aging Style)