茨城県は納豆生産量日本一。そんな「納豆の聖地」で、常識を覆す新商品が誕生した

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 納豆生産量日本一を誇る茨城県。

「もともと納豆は日本各地で大粒の大豆で作られていましたが、茨城では小粒の納豆が主流。明治時代に常磐線が開通して水戸駅のホームで納豆が販売されると、小粒で食べやすく風味や食感がよいと評判をよび、全国にその名が知られるようなったことで、納豆作りが大変盛んになりました」

 と、その歴史を語るのは、茨城県納豆商工業組合会計理事/笹沼五郎商店社長の笹沼寛さん。

 ところがそんな「納豆の聖地」に近年、翳りが見え始めていた。納豆の国内年間消費金額は年々減り続けている。「売上のピーク時だった2005年には約2000億円。いまでは1800億円くらい」と笹沼さん。10年間で2割減。『国民の納豆離れ』が加速していた。食生活の多様化、そして「米離れ」とともに納豆を食べる機会も減ってしまったのだ。

 追い打ちをかけるように、「納豆の安売り合戦」も災いした。大手企業が参入するにしたがって価格競争が始まり、極端な低価格化が進んだ。納豆といえば、いまやスーパーの特売品の定番だ。「安くて当然という考え方が定着してしまい、付加価値が付けづらいんです」。そのうえ、原料の大豆も年々価格が上がり、中小メーカーは苦戦を強いられていた。

 しかし「3パック100円」の価格と反比例するかのごとく、納豆はとんでもなく栄養価の高い食材だ。大豆イソフラボンや食物繊維・ビタミン・アミノ酸、血栓の融解効果があるナットウキナーゼなど、じつにさまざまな栄養素を含み、成人病予防や美容、アンチエイジングにもよいと納豆の健康効果は年々注目を集めている。

 日本が誇る「奇跡のスーパーフード」は、海外の和食ファンの間でも少しずつ知られるようにはなっていたが、さほど普及が進んでいるわけではなかった。

豆腐がうらやましい!
外国人に納豆を食べてもらうには?

 土浦市にある「朝一番」は、昭和23年創業の納豆メーカー。有機大豆を使った「オーガニック納豆」にこだわり、県内でもいち早く30年前から輸出に取り組む。現在、北米、東南アジアへと輸出を行い、全販売商品における輸出品の年間売上が約20パーセント以上を占めている。

「ただし、海外での購入者は、おおむね『現地の日本人』でした」と営業部の大橋茂さん。

「売上をもっと伸ばすためには、外国人の方に食べていただけないものかと考えていました」

 納豆の未来を拓くべく、海外に活路を見出そうと輸出に意欲的だった同社取締役の小河原一哲さんは、営業のために赴いた海外のスーパーで、豆腐が大規模なスペースで陳列されているのを見るたびに「いつか納豆もこんな風に取り扱ってもらえれば」という熱い思いを持っていた。

 納豆をもっと現地の人に知ってもらいたいと、アメリカで試食販売を行ったこともある。しかし、結果は「まったく受け付けてもらえませんでした」と大橋さん。

「不安だったらしいんです」

 ネバネバが、である。

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