窓の無い部屋にLEDで太陽光を再現する「Coelux」(写真は同社HPより)

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 もし、あなたの部屋に、自分好みの太陽光を呼び込めるとしたら、次の三択ならばどれを選ぶだろうか?

 ,っきりの熱帯地方系
 △笋錣蕕な地中海沿岸地方系
 少し暗めのノルディック地方系

 そんな愉しいチョイスを満喫できる日も、どうやら遠くなさそうだ。

 無窓の個室や四六時中暗い地下室にも「太陽光」を呼び込めるLEDパネル照明が大きな話題を集めている。注目の「Coelux」はイタリア・インスブリア大学が研究中の最新技術を応用したもので、早くも照明産業の成長に寄与したものに贈られる英国の称号「ルクス賞2014光源イノベーション」も受賞。イタリア本国では一般向けの展示も始まっている。

地中海の陽光がプレゼントできる奇跡!

 あたかも日差しが当たっているかのような人工光、天然の太陽光と見紛うかのスペクトル(光の強度分布)を再現する、このナノテク照明。それは太陽と空の距離の違いを光学的処理によって再現し、ナノ粒子を散りばめたミリメートル単位の厚さのパネルに作り出すという構造だ。光の波長や光量、光源を巧に操作することで限りなく自然光へと近づけた。

 現時点では上記の3種類(赤道付近、地中海方面、北欧スカンジナビア一帯)のタイプが選べるが、それぞれのプラスチックの厚みに応じて各地域の大気を模倣。今後の研究課題としては一日の時間と連動して、実際の太陽の動きや色を忠実に反映させる方針である。

 このイタリア発最先端技術の汎用性は高く、さまざまな分野での影響や革新が予測できるが、「太陽光」となれば医療や健康分野における今後の貢献ぶりも今から想像に難くない。

 たとえば、季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder)と呼ばれる気分障害がある。これは生体リズムの異常に関連した疾患で、欧米ではうつ病患者中10〜30%が何らかの季節性に左右されているとの臨床報告もある。

 日本人も例外ではなく、全国の53大学付属病院の精神科外来を受診した患者対象の調査結果では1〜3%に季節性の感情障害が認められた。

 傾向としては、東北や北海道など緯度の高い地域が顕著で、それらの地域では天候不順の日が多く続くため、必然的に日照時間や日長時間が短く、それが主な要因とされている。事実、白夜が当たり前の北欧地域ではこういった傾向がさらに顕著なのだ。
季節性感情障害だけでなく「カトパン」こと加藤綾子アナにも有効か!?

 この季節性感情障害の特徴としては、例年10月前後から調子を崩し出し、気分が落ち込むのに伴って意欲減退や焦燥感が募り、食欲増進による体重増加に加えて過眠症状、さらに炭水化物や甘いものを欲する主訴が起こる。が、春先を迎えると雪解けよろしく、これらの症状が治るから不思議だ。彼らに件のナノテク照明の効能を試してみたら改善するのか!?

 こんな疾患例を出さなくても、今日の文明社会では「太陽光を浴びない生活」が日常そのものという人々が限りなく存在する。夜勤族、ひきこもり、昼夜逆転組--結果、太陽光(ないしはそれに似た強い光)の知覚効果で活性化されるセロトニンが不足。運動不足や偏った食生活の不規則な生活習慣が加わり、別名「幸せホルモン」とも呼ばれる三大神経伝達物質の一つにして心のバランスを整える作用のセロトニン不足が加速する。

 朝起きて太陽光を浴びると網膜を通じて体内時計をリセットし、脳と体を目覚めさせる作用がセロトニンにはある。この幸せホルモンが交感神経系を刺激することで血圧や心拍数を上昇させ、体温調整を行ないながら覚醒状態を維持するためである。

 このセロトニンの補填効果が大いに期待できるLEDパネル照明の話題でふと思い出したのが、カトパンこと加藤綾子アナの退社決断で大揺れのフジテレビ、亀山千広社長の惜別談だ。

「朝2時に起きて、3時前に会社に入る。頭が下がります」

 早朝番組の反省会を終えて解放されるのが午前11時、売れっ子アナにはさらに収録が......。もしも驚きの「Coelux」効果が数年前に商品化されていたら、カトパン退社も延期されていた(かもしれない!?)。
(文=編集部)