「中国・台湾特区旗が公開された!」との“情報”が、台湾海峡の両岸で飛び交った。発端は「台湾の喫茶チェーン店」の店頭に、中国の五星紅旗と中華民国の「青天白日旗」を合成したような、「妙な図案の旗」が表示されたことだった。(写真は立場報道の16日付報道の画面キャプチャー)

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 「中国・台湾特区旗が公開された!」との“情報”が、台湾海峡の両岸で飛び交った。発端は「台湾の喫茶チェーン店」の店頭に、中国の五星紅旗と中華民国の「青天白日旗」を合成したような、「妙な図案の旗」が表示されたことだった。

 問題の喫茶店は、茶関連商品を扱う有力企業の貢茶(本社・台湾台北市)のチェーン店だ。貢茶は台湾茶を世界に向けてアピールしている。伝統的なの見方だけでなく、ミルクを用いたり、泡立てたりする「新しい茶の楽しみ方」の研究にも熱心だ。

 同社は中国大陸でも喫茶店をチェーン展開している。山東省済南市の店舗に「妙な国旗」があることに注目が集まった。商品販売カウンターの上には「台湾の貢茶 世界の良茶」との文字があり、その下に、チェーン展開している“国”の旗がある。左から中国、台湾、香港……。

 ところが、台湾の旗が「青天白日旗」ではない。中国の五星紅旗と「青天白日旗」を合成したような、「妙な図案」だ。最初に注目したのは、台湾のインターネットユーザーだったという。

 実はこの図案、2015年に中国のネットユーザーが行った「どんな旗が中国・台湾特別行政区の旗にふさわしいでしょう?」を尋ねるアンケートにあった選択肢の1つという。台湾のネットユーザーからは「4年後にはこんな国旗になっちゃうのかなあ」といった、不安の声も寄せられた。

 台湾企業である「貢茶(ゴンチャー)」に怒りを示し、発音が同じ「共茶」と批判するユーザーもいた。「貢茶は共産党に媚を売っている」の含意だ。

 同問題は、台湾メディアの立場報道も、写真付きで詳しく報じた。

 立場報道によると、「貢茶」はこれまでにも大陸部における「国旗問題」を起こしたことがある。上海市内の店舗で2013年、「青天白日旗」でなく台北市内の高層ビルである「101大楼」の図案を使ったことが問題視された。同社は「政治的要素を考慮した」と説明。ただし、「大陸企業ではなく、台湾の企業であることは、消費者の皆さんにはっきりご理解いただきたい」と考え、台北市のランドマークである高層ビルのデザインを使ったという。

 今回の「中国・台湾特区旗」の問題については、「台湾外の店舗については、現地企業にライセンスを与えて経営させている」と説明。「旗の図案」については事前に相談を受けておらず、「まず、覆い隠して人目につかないようにし、別の図案に修正するように」要請しているという。

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◆解説◆
 台湾で「国旗」としているのが「青天白日満地紅旗」で、通称は「青天白日旗」だ。ただし、熱心な独立論者が同旗を否定することもある。「国民党が大陸から勝手に持ち込んだ中華民国国旗であり、本来は台湾と何の関係もない」との理屈だ。

 同様の理屈で、台湾の建国記念日である10月10日の「中華民国国慶日(通称:双十節)」に冷淡な態度を取る人もいる。1911年に湖北省・武昌で辛亥革命が勃発したことを記念する日であり「台湾には関係がない出来事」との主張だ。(編集担当:如月隼人)(写真は立場報道の16日付報道の画面キャプチャー)