自民党の丸山和也参院議員の「問題発言」のうち、中国では「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ」の部分より、「日本が米国の51番目の州になれば」の部分が注目された。(イメージ写真提供:123RF)

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 自民党の丸山和也参院議員の17日の参院憲法審査会での問題発言は、日本では特に「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ」の部分が注目された。中国ではむしろ、日本が米国の51番目の州になれば「集団的自衛権、安保条約はまったく問題にならない」の部分が注目を集めた。政治センスを疑われても仕方ない発言だが、中国にとってみれば「まさに悪夢」とは言えるかもしれない。

 丸山氏は17日中に記者会見を開いて「誤解を与えるような発言をしたことを大変申し訳なく思う」と陳謝した。日本において問題とされたのは、丸山氏の発言中に、人種差別と受け止められる部分があったことだ。

 しかし中国メディアの環球時報は「日本の自民党議員:日本は米国の51番目の州になってもよい 現在は黒人奴隷が米国大統領」と、「米国の51番目の州」により注目した。

 本文中では「集団自衛権も全く問題にならない」、「拉致事件もおそらく起こらないだろう」、“日本州”出身の大統領が出てくるかもしれない」と、発言内容をかなり詳しく紹介した。

 中国では、習近平国家主席も自国と米国との関係を「新型大国関係」と表現するなど、自国と米国を「世界の二大大国」とする意識が定着しつつある。しかし、技術力、経済力、軍事力のどれをとっても自国と米国に極めて大きな差があることも認識している。さらに「米国は世界における覇権を維持するために中国の台頭を抑えようとしているが、中国に米国と正面切って対決する実力はない」との認識もある。

 そのため、たとえ「仮に」の話としても、「日本が米国の一部になる」ことは、中国にとってはまさに“悪夢”ということになる。

 例えば、尖閣諸島を巡る情勢にしても「中国の公船が“米国領海”である尖閣周辺海域に侵入」することは、およそ考えられなくなるからだ。

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◆解説◆
 実は「日本が米国の51番目になったら」という“IF話”は、1980年代に月刊誌で発表され、評判になったことがある。当時は日米の経済摩擦が問題になっており、同文章は日本が米国の一部になったら同摩擦は自動的に消滅するとの話だった。さらに、「日本出身者」が大統領にならなくとも、“日本州民”の人口は“米国”の総人口の3分の1程度になり「米大統領は大票田である日本の意向に反する政策は捕れなくなる」と主張した。

 同文章はさらに、米国に吸収されることを承服できない石原新太郎は海外で「国粋的な亡命政権」を結成し、千代田区だけは独立を残し、バチカン市国と同様の宗教的国家となるなどと夢想した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)