日本を訪れた中国人観光客が「日本人は本当に礼儀正しい」と感嘆する文章を掲載する一方、その礼儀正しさが「形式的なものであり、本当は日本人は冷たい」と語る中国人もいる。その議論に答えはないのかもしれないが、「日本人の礼儀は形式的なもの」と考えている人にぜひ見てもらいたい文章が、中国メディア・網易に16日掲載された。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れた中国人観光客が「日本人は本当に礼儀正しい」と感嘆する文章を掲載する一方、その礼儀正しさが「形式的なものであり、本当は日本人は冷たい」と語る中国人もいる。その議論に答えはないのかもしれないが、「日本人の礼儀は形式的なもの」と考えている人にぜひ見てもらいたい文章が、中国メディア・網易に16日掲載された。

 「日本人は本当に偽善、あるいは偽りの礼儀なのか」と題した文章では、この問題を考えるうえでヒントとなる3つのエピソードを紹介している。

 1つ目は、入国審査で並んでいた際にカメラを取り出して撮影しようとしたところ年配の警備員が急いでやってきて「他人に影響を及ぼさないくらいの声で『ノーフォト』と言い、こちらがカメラをしまうとお辞儀をして別の列へと巡視しに行った」という話。警備員の態度に感心したようで、これがもし「怒りの目つきでレンズを覆いながら言われたのなら、逆上して意地でも写真を撮ってやったかも」としている。

 2つ目は、大型商業店舗での話。店員と客との関係が非常に良好であり、店員は客が何かを聞きたい時だけやってきて、心地よい微笑みを絶やさずに対応すると説明した。

 3つ目は、博物館での話。写真撮影が禁止されていたので、文字で記録を残そうと思いボールペンを片手に入ったところ、やや年配の女性職員から「それはボールペンでございますか」と丁寧に質問されたという。そうだと答えて書いて見せると、女性はお辞儀をしたうえでその場を離れ、何かを持って戻ってきた。女性の手にあったのは鉛筆で、それを申し訳なさそうにお辞儀しながら寄越してきたのだそうだ。その理由について文章は「ボールペンで書くことによって展示品に跡がつくのを恐れたためだったのだ」と解説。女性の表情は「ミスをしたのが自分ではなく、まるで彼女が犯したよう」だったと伝えている。

 記事は3つのエピソードを紹介したうえで、「日本人は偽善か、偽りの礼儀か」というテーマを再び提起。「その答えは決して重要ではない」としつつ、「日本で遭遇した出来事が心地よいものだったのに、どうして彼らが偽善かどうかなど気にかける必要があるのか。仮に中国人のお金を目当てにした礼儀であったとしてもだ、態度が悪いのに比べればどれだけ許せることか」と論じた。

 大事なのは見かけ上の礼儀かそうでないか、ということよりも相手に気持ちよくなってもらえるかどうかであるという文章の指摘は、まさにごもっとも。どんなに礼儀が良くても相手がいい気分にならなければ、それこそ「礼儀の形骸化」であり、客をもてなす側としては気を付けなければいけない点なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)