減量は「運動」と「食事制限」の二輪で

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米ニューヨーク州ニューヨーク市立大学とイリノイ州ロヨラ大学シカゴ校、ガーナのクワメ・エンクルマ科学技術大学、ジャマイカの西インド諸島大学、南アフリカのケープタウン大学による国際共同研究チームは、人間は運動強度に慣れてしまうため、運動による消費カロリーの増加には限界があり、運動だけでやせるのは難しいとする研究成果を発表した。

研究では、米国、ガーナ、ジャマイカ、南アフリカに住む健康な25〜45歳322人を対象に、身体測定や体組成調査を実施。さらに、身体活動記録を調査するため加速度計を1週間装着してもらい、その間の総カロリー消費量も測定した。

測定された数値を、体の大きさや筋肉量などで調整をした結果、身体活動レベルが「普通(座位中心だが通勤、家事などで体を動かす)」だった人は、「低い(生活の大部分が座位)」人よりも、1日のカロリー消費量が平均で約200キロカロリー多かった。

しかし、身体活動レベルが「高い(日常的に移動や立位、もしくはスポーツをしている)」人と「普通」の人の間で消費カロリーに大きな差はなく、1日約3.6キロメートル歩く程度の運動で停滞期に達し、運動強度が高くなっても消費カロリーは増加していなかったという。

なぜ、運動強度が高くなってもカロリー消費につながらないのかについて、激しい運動後は座位で休息する時間が増える、人間の生理的な適応で運動への「慣れ」が生じ、一定以上にはカロリーを消費しない、などと推測されている。

筆頭研究者であるニューヨーク市立大学のハーマン・ポンツァー博士は「運動には減量には大きな効果はなく、適切な食事制限が欠かせない」としつつ、一方で「体重管理の他に健康上多くの利点があり、現在運動する習慣がある場合は決してやめるべきではない」ともコメントしている。

参考文献
Constrained Total Energy Expenditure and Metabolic Adaptation to Physical Activity in Adult Humans.
DOI: 10.1016/j.cub.2015.12.046. PMID: 26832439

(Aging Style)