香川は?英紙がファン・ハールの『大放出』について査定
昨シーズン、デイヴィッド・モイーズの後を受け、マンチェスター・ユナイテッドの再建を託されたルイス・ファン・ハール。
見事に1シーズンでのUEFAチャンピオンズリーグ復帰を果たしたものの、今シーズンはグループステージ突破に失敗。プレミアリーグでは現在5位だが、4位マンチェスター・シティとの勝ち点差は6に開いており、来季のチャンピオンズリーグの出場権が非常に厳しい状況となりつつある。
来季はチェルシーを退団したジョゼ・モウリーニョの監督就任が濃厚と英国メディアが騒ぐなど、ファン・ハールの首筋は寒くなりはじめている中、英国紙の『Telegraph』が気になる話題を提供している。
それは、「ルイス・ファン・ハールがマンチェスター・ユナイテッドからこれらの選手を放出したのは正しかったのか?」というものだ。13人の選手たちの名前がリストアップされており、その中にはドルトムントに復帰した日本代表MF香川真司の名も含まれている。順にご紹介しよう。
パトリス・エヴラ
売却: 2014年
売却先:ユヴェントス
移籍金:120万ポンド
2014年の夏、ルイス・ファン・ハールが着任してすぐにユナイテッドを去った。そして、ユヴェントスでは大きな成功を続けている。昨シーズンはこのイタリアのチームがチャンピオンズリーグのファイナルまで行くことの手助けをし、国内ダブルに貢献。今シーズンも継続性のあるフォームを続けている。この週末、ファン・ハールは「ユナイテッドはサイドバックのいないクラブ」と嘆いていた。今エヴラがいたらどうしたであろうか。
裁定:ファン・ハールは彼が一緒にいたらと願っているはず
ダニー・ウェルベック
売却: 2014年
売却先:アーセナル
移籍金:1600万ポンド
地元で人気のあったウェルベックを売却したことでユナイテッドはファンの怒りを買った。彼はアカデミー出身者であり、働きっぷりとクラブへの情熱は有名だったからだ。故障によりアーセナルに戻れずにいたが、昨シーズンのオールド・トラッフォードにおけるユナイテッド戦での決勝ゴールと、日曜日のレスター戦での決勝ゴールは、彼がフィットさえできれば本物の力を有していることを示している。
裁定:現時点では裁定不能
アンデルソン
売却: 2015年
売却先:インテルナシオナウ
移籍金:フリー
昨年、この恰幅の良いブラジル人がブラジルに戻ったとき、完全に笑い者にされていた。あえて言うならば、このMFはインテルナシオナウで輝くことに失敗したのだ。彼は高所であるラ・パスで行われたデビュー戦で体力を使い果たす前にPKに失敗し、その後イピランガとのドローゲームで退場してしまった。
裁定:良い放出
ダレン・フレッチャー
売却: 2015年
売却先:WBA
移籍金:フリー
フレッチャーがWBAに向かうまで、オールド・トラッフォードにおいて、フィットネスと健康の問題を抱え続けた。今は恒常的にプレーできる状態に復帰しており、ユナイテッドでの絶頂期のレベルには無いが、ソリッドなプレーを見せている。
裁定:彼を行かせてあげる正しいタイミングだった
ウィルフリード・ザハ
売却: 2015年
売却先:クリスタル・パレス
移籍金:300万ポンド
サー・アレックス・ファーガソンのマンチェスター・ユナイテッドにおける最後の契約だったが、決してオールド・トラッフォードで自らを確立させる脅威にすら至らなかった。それは、本人の緩慢な態度(クラブのスーツではなく、Tシャツにジーンズの姿で飛行場に行くなど)やクラブのピッチ外での激変(デイヴィッド・モイーズは若手に決してチャンスを与えなかった)や、ユナイテッドの不調によるものであり、新監督もこのウィンガーにチャンスを与えようとしなかった。パレスへの復帰により、彼のパフォーマンスはイングランド招集を検討させるものになっている。
裁定:もっと時間を与えるべきだった
トム・クレヴァリー
売却: 2015年
売却先:エヴァートン
移籍金:フリー
エヴァートンの指揮官、ロベルト・マルティネスが「(クレヴァリー以上の)英国人選手はいないと思う」と言った時、それは過度に大げさだったのかもしれない。しかし、このMFはオールド・トラッフォードを去って以来、ルネッサンスのように楽しんでいる。クレヴァリーは昨シーズンはローン移籍したアストン・ヴィラで印象的な活躍を見せ、(今シーズンは)グッディソン・パークではうまく組み込まれた。ユナイテッドでの序列から外れた際に失った自信を取り戻したように見える。
裁定:結局は才能の限界だったのかもしれない。しかし、大きな後悔は全く抱いていないだろう。
ナニ
売却: 2015年
売却先:フェネルバフチェ
移籍金:425万ポンド
今夏、フェネルバフチェに完全移籍する前の昨シーズンはスポルティング・リスボンに貸し出された。このウィンガーはポルトガルへの有意義な復帰により11ゴールを決め、今シーズンは(フェネルバフチェで)7ゴールを奪ってファンの人気者になっている。
裁定:ユナイテッドのスカッドにいても今も使える選手だったであろう
ロビン・ファン・ペルシー
売却: 2015年
売却先:フェネルバフチェ
移籍金:400万ポンド
驚くことに同国人であるファン・ハールと共にせず、昨年の夏にフェネルバフチェに売却された。このオランダ人はトルコで生活をエンジョイしているように全くみえない。しかし、それにもかかわらず9ゴールを奪っている。
裁定:最高の日々は彼の後ろ(過去)にある。しかし、ゴール欠乏症の今シーズン、オールド・トラッフォードで何らかの役割を与えられていたはずだ。
アンヘル・ディ・マリア
売却: 2015年
売却先:PSG
移籍金:4400万ポンド
5970万ポンドでユナイテッドに到着し、エキサイティングなスタートを決めたにもかかわらず落ち着くことに失敗した。昨年の夏、およそ1600万ポンドの損失を残してPSGへと売却され、フランスの首都で卓越した活躍を続けている。疑問はファン・ハールがこのプレーヤーを充分に試し、適応させようとしたのか、そして彼やクラブがディ・マリアをすぐに諦めてしまわなかったか、ということに尽きる。
裁定:売却するべきではなかった
ラファエウ・ダ・シウヴァ
売却: 2015年
売却先:リヨン
移籍金:250万ポンド
ユナイテッドではどんんどん不安定になっていった。しかし、今シーズンのユナイテッドのサイドバックたちの壊滅っぷりを考えると、残しておく価値があったかもしれない。
裁定:ギジェルモ・バレラよりも本当は彼の方が価値があったかもしれない?
ジョニー・エヴァンズ
売却: 2015年
売却先:WBA
移籍金:600万ポンド
エヴァンズがニューカッスルのパピス・シセに唾を吐いて6試合の出場停止処分を受けた時、オールド・トラッフォードにおけるこのセンターバックの貢献を完全に埋めることはできなかった。ファン・ハールは中央のディフェンスにいくつかのオプションがあったために移籍を許可されたが、未だに疑問符が残る。
裁定:ダレイ・ブリントの良い代役になっていただろう
チチャリート
売却: 2015年
売却先:レヴァークーゼン
移籍金:730万ポンド
ファン・ハールはデイヴィッド・モイーズやサー・アレックス・ファーガソンと同じように、チチャリートを完全に信用したわけではなかった。レアル・マドリーへのローンを終えたのち、このストライカーはバイアー・レヴァークーゼンへと売られた。チチャリートはドイツでどんどん強くなっており、ブンデスリーガの月間最優秀選手を3ヶ月連続で受賞し、全コンペティションで22ゴールを奪っている
裁定:売却すべきではなかった
香川真司
売却: 2014年
売却先:ドルトムント
移籍金:600万ポンド
この日本のプレーメーカーはユナイテッドのファーストチームで一定の居場所を与えられなかった。そして、マンチェスターでたった2年過ごした後にドルトムントに売り戻された。彼はベストなフォームを取り戻しつつあり、トーマス・トゥヘルの元で再生するチームにおいて重要な役割を果たしている。
裁定:もっと時間を与えるべきだった