バレンタインデーの2月14日、インターネットに投稿された1枚の写真が感動を呼んだ。撮影個所は屋外だ。夕日が傾いている。1羽のガチョウは、オートバイの荷台にくくりつけられている。もう1羽は、別れを惜しむように、嘆くようにくちばしを寄せている。ネット民は「ガチョウの愛の口づけだ」などと騒いだ。

 写真は次々に転載された。2羽の愛情を示すものとして「涙が止まらない」といったコメントが次々に寄せられた。人に飼われていガチョウであるからには、食用である可能性が高い。あまりにも哀れと思ったのか「オートバイは故障しました。2羽は結局、幸せに暮らし続けることになりました。そして、たくさんの『ちいさなガチョウ』が生まれましたとさ」と、ハッピーエンドの物語を“創作”した人もいた。

 「ガチョウの愛」に共感・称賛・同情を示すコメントが、次々に寄せられた。

 中国メディアの現代快報は、「ガチョウ夫婦のその後」について取材した。写真にあったオートバイのナンバーから、“飼い主”を特定することができたという。

 ガチョウを飼っていたのは広東省梅州市郊外にある農家だった。写真を撮影したのは9日だった。旧暦の1月2日ということで親類から連絡があり、知り合いを招いて自宅で新年会をするので、ガチョウが1羽ほしいと言われたという。

 そこで、メスのガチョウを届けることにした。つがいのオスは取り残された。

 オスはくちばしで、メスをしばったひもを解こうとしたという。ひっきりなしに鳴いた。飼い主の女性によると「妻を放してくれ」と訴えるようだったという。一家中が「こりゃ、かわいそうだ」と思ったが、親類から再び電話があり「急いでくれ」とせかされたので、すぐにメスのガチョウを送り届けたという。

 伴侶を奪い取られた“夫”の様子はどうなのか。記者は改めて「オスのガチョウはどうしていますか?」と尋ねた。すると「オスの方はね、ウチで締めて食べました」との答えが返ってきたという。(編集担当:如月隼人)(写真は現代快報の16日付報道の画面キャプチャー)