ちゃんと寝ないと健康以外にもトンデモないことに

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冤罪事件は過酷な取り調べに耐えかねて自供するから起こるといわれるが、ひと晩の睡眠不足だけで簡単に「無実の罪」を認める人が多いことがわかった。

米ミシガン州立大のチームが研究をまとめ、「米科学アカデミー紀要」(電子版)の2016年2月8日号に発表した。行き過ぎた犯罪捜査の防止が目的だが、アナタも浮気を追及される場合など、やましい事があるなしに関わらず、睡眠不足にはくれぐれも注意したい。

押してもいないキーを「押しました」と署名迫る

同大心理学部のキンバリー・フェン准教授らのチームは、88人の若者を対象に、研究の本当の狙いを隠して1週間にわたりコンピューターを使った学習作業をしてもらった。様々な心理テストや認知能力テストなどの課題を与え、途中で何度も「コンピューターのEscape(エスケープ)キーを押すと、今までの作業データが全部消えるので絶対に押さないように」と警告した。繰り返し注意を与えることが実験の隠れた目的の伏線だった。

最終日の夜に参加者を2つのグループに分け、一方に8時間たっぷり寝てもらい、片方に一晩寝ないで過ごさせ睡眠不足の状態にした。翌朝、研究スタッフが密かに全員のコンピューターのデータを消去した。そして、ひとりひとりを個室に呼び、「あなたが不用意にEscapeキーを押したからデータが消えた」と追及し、「自分のミスを認める書類にサインしなさい」と迫った。

一晩寝ていないだけで半数の人が...

すると、睡眠不足のグループは半数が「無実の罪」を認めたが、8時間寝たグループで認めたのは10%前後だった。睡眠不足になると、「虚偽の自白」をするリスクが4.5倍高まったのだ。

フェン准教授は「睡眠不足になるといかに意志が弱くなるか、劇的な研究成果をあげました。米国では冤罪事件のうち15〜25%で被告が虚偽の自白をしています。尋問の際、睡眠不足にさせる方法が多くの冤罪を生んでいることを明らかにできました」と語っている。