中国共産党の習近平総書記(現・国家主席)が、綱紀粛正の「八項規定」を2012年12月の党中央政治局会議で発表してから、3年間以上が経過した。13年6月には、形式主義、官僚主義、享楽主義、奢侈を「四風(4つの悪風習)」として、改めて根絶の対象とした。しかし現在も「四風」は、「ステルス賄賂・ステルス接待」として「手を変え品を変える」など“進化”しつつあるという。北京市メディアの京華時報が伝えた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国共産党の習近平総書記(現・国家主席)が、綱紀粛正の「八項規定」を2012年12月の党中央政治局会議で発表してから、3年間以上が経過した。13年6月には、形式主義、官僚主義、享楽主義、奢侈を「四風(4つの悪風習)」として、改めて根絶の対象とした。しかし現在も「四風」は、「ステルス賄賂・ステルス接待」として「手を変え品を変える」など“進化”しつつあるという。北京市メディアの京華時報が伝えた。

 京華時報によると、2015年に調査の対象となった「四風」や「腐敗」案件は約8万件で、9万人が処罰/処分された。

 地位のある者などに、不正に便宜を図ってもらう際、金品を堂々を渡す例は減少したが、「ステルス賄賂・ステルス接待」の手口が、しばしばもちいられる。

 これまでは、職場の執務室に「プレゼント」を持って行ったり、人目を避けたい場合でも「夜中にこっそりと自宅に行く」程度だった。しかし現在は、自動車で人通りの少ない場所に行き、「窓越しに渡して、各自がそれぞれの方向に自動車を運転して去る」など、“スパイ大作戦”もどきの方法が用いられているという。

 また、従来ならば「贈賄側が収賄側に足を運ぶ」ことが常識だったが、現在は金品を受け取る側が、渡す側の家に「代理人」を派遣する場合がある。「普通の客」として世間話などをして、折を見て金品を受け取って退去するという。

 さらに接待でも、高級レストランや高級ホテルは利用しない。個人所有や貸し切りの部屋を用いて「たらふく飲み食いさせる」ことが増えたという。

 中国では、春節(旧正月)の際や何かの折に、「紅包(ホンバオ)」と称して、金銭をやりとりすることがある。子どもに対して年越しの際に与えるなら、日本の「お年玉」と同じ意味合いだが、大人の場合にも一種の「御祝儀」として授受をすることがある。最近では、公務員の「紅包」は禁止される地方が増えた。

 雲南省昆明市の共産党委員会も指導幹部の「紅包」の授受を禁止した。しかし調査の結果、60人以上が「紅包」のやりとりをしていたことが分かった。うち1件は「自腹」ではなく公金80万9000元(約1420万円)を「紅包」に流用していたという。

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◆解説◆
 中国において「飲食の接待」は、相手に「肉体的にいい思い」をさせるだけでなく「相手の面子(メンツ)を尊重」していることを示す行為とされる。それだけに、根絶しづらい問題との見方もある。

 逆に、接待される側も、「自分が接待を受けることは、接待する相手の面子を立てること」との感覚が強い。不正といった、昨今では特に「ステルス性」が求められる行為では、相手との信頼関係の構築はなおさら重要であり、そのためにも「きちんと接待を受け、接待する側の面子を立てておく」ことが大切になる。いずれにしろ、根絶はかなり困難ということになる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)