ラットを「ギャンブラー」に変える実験(動画あり)

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ラットのための「カジノ」をつくる実験が行われた。刺激的な光と音を加えたところ、「ハイリスク、ハイリターン」を求める傾向が強まったが、こうした行動はドーパミン拮抗薬によって抑制されることもわかったという。

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ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)の研究チームが、依存性の行動に関する研究の一環として、「ラットのためのカジノ」をつくった。カジノに大きな音やまぶしい光を加えると、ラットたちにリスキーな行動を好む傾向が見られた。さらに、この行動がドーパミン拮抗薬によって抑制されることもわかったという。

ブリティッシュコロンビア大学心理学部のマイケル・M・バラスとキャサリン・A・ウィンスタンリーは、32匹のラットに対して、甘いおやつが手に入るギャンブルを教えた。ラットの目の前には4つのボタンがあり、当たりはおやつが出てきて、はずれはギャンブルが中断される。当たりとはずれの確率、おやつの個数、中断時間はボタンごとに異なる。

ラットにとって最適な戦略は、報酬は小さいがリスクも小さいボタンを常に選び続け、「ハイリスク、ハイリターン」を回避することだ。この選択が最も利益が大きい。

通常の条件下では、ラットたちは最も確実に報酬を得られるボタンを覚え、そのボタンを選び続けた。ところが、カジノに光と音を加えると、ラットたちの行動に変化が起きた。人間用のスロットマシンのように、普通の当たりより大当たりの方が光も音も派手になるという刺激が加わると、ラットたちは華やかな報酬を得るため、大きなリスクをとるようになったのだ。

『Neuroscience』誌で発表された論文には、「カジノに刺激を加えたときの方が、ラットたちが不利益なハイリスクのボタンを選ぶ確率が大幅に増えた」と書かれている。つまりラットたちは、問題のあるギャンブラーのような行動を繰り返したということだ。

脳内のドーパミンD3受容体を活性化する薬をラットに与えると、この傾向はさらに強まった。D3受容体は一般的に、さまざまな依存症と関連付けられている。

ドーパミン拮抗薬でD3受容体を遮断すると、ラットたちは非合理的な行動をやめた。光と音の刺激を加えなかったラットには、ドーパミン拮抗薬の影響はほとんど見られなかった。

研究を率いたバラス氏は、以下のように述べている。「D3受容体は薬物中毒にも大きな影響を及ぼしています。さまざまな悪癖に見られる危険な行動には共通の生物学的な原因があると考えられています。今回の研究結果はこの説の裏付けになるかもしれません」

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