NHK「あさが来た」の五代役で今をときめくディーン・フジオカ。
2013年のゼクシィCMガールとして一躍話題になった松井愛莉。
クリエイター、番組MC、猪苗代湖ズメンバーと様々な顔を持つ箭内道彦。

彼らの共有点。それは福島県出身であること。

そんなメンバーが集結した“福島県発”のドキュメンタリーアニメ「みらいへの手紙〜この道の途中から〜」が2月15日に完成。特設サイトでの公開がスタートした。


福島の光と影、その両方を描く


「みらいへの手紙〜この道の途中から〜」は、来月で東日本大震災から5年となるのに合わせて県が制作したもの。震災後、県内で実際にあったエピソードをもとに、1本約2分の短編10作品で編まれている(計25分34秒)。

クリエイティブディレクターは箭内道彦(郡山市出身)。
タイトルコールは松井愛莉(いわき市出身)。
ストーリーテラーはディーン・フジオカ(須賀川市出身)。
制作は「新世紀エヴァンゲリオン」で知られる「ガイナックス」が福島県三春町に設立した子会社「福島ガイナックス」が担当。
同社社長の浅尾芳宣(福島市出身)が統括プロデューサーを務めた。
さらに、歌や演奏は郡山東高合唱部と磐城高吹奏楽部が担当。
まさに、オール福島、と呼びたくなる陣容だ。

そして、制作の陣頭指揮を務めたのは、内堀雅雄福島県知事。
自身もアニメ化され、自ら声も吹き入れる熱の入れようだ。

本作におけるテーマは、福島の光と影、その両方を描くこと。

美談でもなく、悲劇でもない。
日常でありつつ、どこか非日常。

東日本大震災、そして今も続く原発事故からの復興の過程における「生活者目線の福島」の姿を捉えている。

ディーン・フジオカのメッセージ動画も。

「道の途中」であり、「現在進行形の福島」


10作品のなかのひとつ、同級生が避難して一人残された小学生の卒業式を描いた「ちかちゃんの卒業」における、次のセリフが頭から離れない。

「ひとりだけど、ひとりではない。さびしいけれど、かわいそうではない」

このセリフで思い出したのは、2011年9月に開催された「LIVE福島」で、本作のクリエイティブディレクターでもある箭内道彦が発した言葉だ。

「避難していく人、避難しない人、避難したくても避難できない人。避難したくないのに避難しなければならない人。それぞれがさまざまな状況の中で『福島が好き』という気持ちだけ共通で持っていたい」

箭内は同様に、今回の特設サイト上でこんなメッセージを綴っている。

「福島、と括られても、ひとりひとりそれぞれに、立場と思いは様々です。10人いれば、10通りの、200万人いれば、200万通りの、今があります。人がいます」

震災以降、「福島」は「フクシマ」「FUKUSHIMA」というワードで一緒くたにされることが多かった。いや、過去形ではなく、今もまだ続く現実だ。

変わらない状況と、変わらない決意。だからこそ、「この道の途中から」という副題が胸に刺さる。

「道の途中」であり、「現在進行形の福島」を知るきっかけとして、是非ともおすすめしたい。
(オグマナオト)