先週、松山英樹(23歳)がウエイストマネジメント・フェニックスオープン(2月4日〜7日/アリゾナ州)で米ツアー2勝目を飾った。その興奮が冷めやまぬ中、続くAT&Tペブルビーチ・プロアマ(2月11日〜14日/カリフォルニア州)では、今季から米ツアー本格参戦を果たした岩田寛(35歳)が日本中を沸かせた。

 ジョーダン・スピース(22歳/アメリカ)やジェイソン・デイ(28歳/オーストラリア)らトッププレイヤーが集う中、岩田は2日目を終えて首位タイに浮上。最終日もトップと2打差の単独2位で迎え、日本人プレーヤーによる2週連続優勝の期待が膨らんだ。

 しかし、その偉業達成には、あと一歩及ばなかった。岩田は最終日も奮闘し、一時トップに並んだものの、勝負どころの終盤でスコアを落として後退。最終的には、通算14アンダー、4位タイに終わった。

「あ〜、悔しい。なんか情けない。呆れています、自分の下手さに......。とにかくアイアンショットが酷かった。なかなか思いどおりにショットが打てなくて、耐えることしかできなかった......」

 ラウンドを終えた岩田は、手が届くところにあった優勝を逃したショックに打ちひしがれていた。出てくる言葉は、自らの不甲斐なさと、反省の弁ばかりだった。それでも、米ツアー初優勝を目指して、岩田は十分に健闘した。

 2打差でトップに立つフィル・ミケルソン(45歳/アメリカ)とともに最終組でラウンドした最終日。人気選手のミケルソンを目当てにした大ギャラリーに囲まれても、岩田は平常心を保って、自らのプレーに集中していた。

「最初の2ホールくらいは緊張しましたけど、落ち着いてプレーできました」

 4番(パー4)でボギーを叩いたものの、6番(パー5)、7番(パー3)と連続バーディーを奪取。さらに後半に入って、11番(パー4)でバーディーを決めると、通算16アンダーとしてトップに並んだ。

 その後は、ショットが不調でなかなかパーオンすることはできなかったが、ミケルソンを凌駕する見事なショートゲームでカバー。12番から15番まで4ホール連続で1パットのパーでしのぎ、通算17アンダーでトップに立ったボーン・テーラー(39歳/アメリカ)を追随した。

 そして、迎えた残り3ホール。岩田は最低でもひとつはスコアを伸ばす必要があった。そこで、岩田は「気持ちを切り替えて、攻めていった」という。が、それが裏目に出てしまったかもしれない。

 16番(パー4)では、第2打をグリーン手前のラフに外して、第3打のアプローチも3mオーバーしてボギー。17番(パー3)ではティーショットをバンカーに外してスコアを伸ばせず、最終18番でもボギーを叩いて自滅した。

「16番では、セカンドを(グリーンから)外した時点で、今の自分の調子ではこんなもんだな、と。3打目のアプローチは、思ったよりも強く入ったというか、スピンがかかって初速が出てしまった......。まあ、12番から最後まで1度もパーオンしていないので、そこは課題ですよね。18番では、もう悔しさというか、(自分は)何をしているんだろうって......。達成感なんて、何もないです。4位という結果にも、特に何も感じない。4位だなって感じです」

 悔しさなのか、情けなさなのか、終始うつむき加減でメディアの質問に答えていた岩田。それでも、4位という結果を残して、次週のノーザントラストオープン(2月18日〜21日/カリフォルニア州)の出場が決定し、「それだけが、唯一うれしいこと」と言って、少しだけ笑みを見せた。

 その次週の一戦に向けて、岩田はその手応えについて「来週にならなければわからない」と話した。米ツアー初優勝までの距離、その可能性についても「どのくらいでしょう......わからない」と力なく答えた。だが、岩田が悔しさを滲ませるのは、「優勝できた」という手応えがあったからに他ならない。ショットが不調だったことを考えれば、なおさらである。

 自身、年明け3戦目のファーマーズインシュランスオープン(1月28日〜31日/カリフォルニア州)で18位タイ、そして4戦目の今大会で4位タイという好成績を残した岩田。その結果、賞金ランキングは56位、フェデックスランキングも72位まで浮上した。今後は出場できる大会も確実に増していくはずである。とすれば、優勝のチャンスが再び巡ってきてもおかしくない。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
text by Sportiva