日本では、新品時だけ価格が異常に高く、中古になると値段が大きく下がる。

だが、それを使うときの価値は新品とさほど変わらない。この中古価格と使用価値との歪みに着目すれば、誰でもお金持ちになれるというのが『ベンツは20万円で買え!』の内容だ。「新品神話」を抱く日本人に多くのヒントを与えるエッセイの一部を紹介しよう。

市場の歪みをうまく使えば
安くていいものが見つかる

 新車であれば200万〜300万円するクルマも、何年かたつと値段が落ちてきて、50万円くらいで買える。新車で1500万円以上する高級外車も、10年以上たてば、100万円以下で購入できることもある。

 新車は値段が決まっているが、中古車には定価がない。市場の歪みをうまく活用すれば、安くていいものが見つかる。

 印象深いマシンは、60万円で買ったクラウンマジェスタだ。本体価格が47万円で、諸費用が13万円だった。元々が高級車なので、造りはしっかりしている。建物にたとえると、建てつけがしっかりしているクルマだ。

 購入後7年で、6万5000キロ乗った。1万キロあたり10万円以下だ。1年あたりの価格も10万円以下である。安い買い物だった。消耗品の交換以外は、大きな故障もない。

 2012年に購入したメルセデス・ベンツSLK230というオープンカーも、新車で買えば490万〜650万円である。しかし、10年を経てワタクシが買った価格は50万円だ。

 厳密にいうと、ホンダ・モビリオと、ダイハツ・ハイゼットという朽ち果てた軽のワンボックスカーの2台を下取りに入れたので、支払ったキャッシュはたったの20万円だった。

 工業製品としてのクルマは1990年代にほぼ完成されている。コンピュータによる電子制御が普及しているためだ。それ以降、デザインや大きさはさほど変わっていない。とくにメルセデスは、90年代以降のものは、クルマに詳しくない人が見ると、新型か旧型かの区別がつかない。

「中古車はすぐに壊れる」という人もいるが、現代の中古車はそう簡単には壊れない。たとえ壊れたとしても、修理すればいいだけの話だ。心配性な人はディーラーで修理すればいいし、簡単な修理や整備は、近所の中古車屋かガソリンスタンドで実施すればいい。

 古い価値観に縛られたままだと、中途半端なつまらない新車をローンで購入し、毎月の支払いのために、月々の小遣いが減ってしまう。新車のローンの支払いのために、毎日、節約して500円以下のランチを食べるのも切ない。食事はたらふく食べたいものだ。