雪国でクルマを購入する場合、4WDがデフォルト、設定がないならFFを選択する──というのが雪国に住んでいない筆者のイメージです。逆をいえば、雪国でFRを選択することはありえないことかと……

ただ、このイメージは長野県内で開催された「日産オールラインアップ雪上試乗会」でフェアレディZに試乗して、単なる思い込みだということがわかりました。

長野県の女神湖から白樺湖、車山高原、霧ヶ峰スキー場などで行われたこの試乗会。そもそもは“ALL MODE 4x4i”(エクストレイルに搭載)、“独立型トランスアクスル4WDシステム”(GT-Rに搭載)、“パートタイム4WD”(NV350キャラバンなどに搭載)など、日産車に用意されている多彩な四輪駆動システムを乗り比べる報道陣向けの試乗会です。

その中に、スカイライン、ノート・ニスモなどのFR車やFF車が比較用として準備されていたのです。

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もちろん、日産が誇る四輪駆動車にも試乗したのですが、我々がとくに興味を持ったのがFRのフェアレディZ。雪道で最高出力336psのパワーをFRでしかも6速MTを組み合わせるフェアレディZがスムーズに走れるとはとても思えないですもんね。

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試乗日は、晴天でしかも2月としては気温が高いため、走行ルートの大半は雪が溶けていたあいにくの(?)コンディションでしたが、それでも雪が深く低ミュー路の雪道でフェアレディZを試してみました。

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発進時、盛大にホイールスピンをするかもと2速発進でスタートしたのですが…なんかとても普通。というか、雪道とは思えないほどスムーズに発進できるのです。

それは走行中も同じで、凍結路や圧雪路でも神経をすり減らしながら運転する必要がなく、ガッツリとアクセルを踏む込むことに躊躇する必要がありません。

FRスポーツが雪に弱いなんて、とんでもない思い込みだったんですね…。

雪上でもフェアレディZが、自らのパフォーマンスをちゃんと発揮できるのはなんといってもVDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール)の存在があるからでしょう。

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VDCとは、車両に搭載された各種センサー(舵角、ブレーキ圧力、車輪速、ヨーレイト、横G)により、ドライバーの運転操作や車速などを検知し、ブレーキ圧やエンジン出力を自動的に制御する装備。

今回のような滑りやすい路面やコーナリング、障害物を回避する際に発生する横滑りを軽減し、車両の安定性を向上させ、走行時の安心感を高めるのが大きな特徴です。

とくにVDCの効果がわかるのはブレーキ時で、凍結路でも安定してクルマを止めることができました。これはVDCとともに装着していたスタッドレスタイヤ(ブリヂストン・ブリザック)の性能が高かったこともその要因でしょう。

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試しにVDCをオフにして走行してみると、クルマの性格が一変。VDCオンの時と比べ、スタート時に後輪がホイールスピンを起こしたり、直線でもアクセルを踏み込むとクルマが左右に振れるなど一気に緊張感が増しました。これが我々が想像していた雪道での走りですが、雪煙が舞うシーンを撮影する以外はとくに必要ないですよね。

雪上でも楽しい走りが可能なフェアレディZ。いままであなどっていてすいませんでした。

(テヅカ・ツヨシ)

雪道でFRスポーツは安心してアクセルを踏めない? フェアレディZで試したら問題なさすぎて驚嘆!(http://clicccar.com/2016/02/16/353550/)