中国メディアの環球時報は15日、「ますます多くの中国人の朝鮮(北朝鮮)に対する見方がが変かしつつある」と題する社説を発表した。同社説は、「北朝鮮は中国にとって負担」と考える人が増えていると指摘。さらに、「外交は民意だけで決めるものではない」と指摘した上で、「民意は中国の外交戦略の基礎」と主張した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディアの環球時報は15日、「ますます多くの中国人の朝鮮(北朝鮮)に対する見方がが変かしつつある」と題する社説を発表した。同社説は、「北朝鮮は中国にとって負担」と考える人が増えていると指摘。さらに、「外交は民意だけで決めるものではない」と指摘した上で、「民意は中国の外交戦略の基礎」と主張した。

 記事は冒頭部分で、中国は北朝鮮の隣国であり、北朝鮮の核問題で中国は大きな外交的圧力を受けるようになったと指摘した。

 中国の一般庶民の「対北朝鮮観」としては、伝統的には朝鮮戦争を支援して米国とも戦った「友情」関係であり、一部の人は北朝鮮を「バリア」と見なしてきたと解説。「バリア」とは、北朝鮮が「在韓米軍を中国の国境まで来させない存在」であることを意味する。

 しかし、北朝鮮が中国の強い反対にも関わらず核実験を繰り返して中国の国益を大きく損ねており、北朝鮮国内の「人権蹂躪」も伝わってきている関係で、「中国人の北朝鮮政権」に対する見方は変化しつつあるという。

 決定的な変化は、中国人の間で北朝鮮を「友好国家」と見なす人が減少し、「悪の隣人」と思う人が増えていることという。同社説によると、北朝鮮について異なる主張を持つ専門家2人に尋ねたところいずれも、北朝鮮を「悪の隣人」と見なす中国人の比率は「6割。あるいはそれ以上」に達したとの考えを示した。

 社説はさらに、「外交とは高度に専門的であり、民意は具体的な外交政策の“指揮棒”たりえない」と指摘した上で、「民意は現代中国の外交戦略の基礎」と主張。「対北朝鮮政策と民意の乖離が大きくなるほど、中国政府が(民意の反発という)政治的代償をを支払わねばならない可能性が増大する」として、北朝鮮がこれまでの方針を変えない場合には、中国が現状の対北朝鮮政策を維持することは、国内政治の面でも難しくなっていくと主張した。

 社説は、米国のような「単純な制裁論」は否定したが、中国国内でも「ピョンヤンに、孤立の本当の痛みを感じさせてやれ」との世論が強まりつつあると主張。また、北朝鮮の核実験場が中国との国境に近いことも、同問題が「中国国内で爆発する潜在性がある」ことの理由のひとつという。

 同社説は、北朝鮮問題について、中国が今後、採用すべき方法については言及しなかった。ただし、「われわれに、知恵と決心が欠如したことはない」、「北朝鮮の核問題を、われわれが乗り越えられないような障害物にしておくわけにはいかない」と主張した。

 環球時報系のニューサイト、環球網は同社説を転載した上で、「北朝鮮は中国にとってのバリアであるとの考え方を再検討すべきと思いますか?」とのアンケートを実施した。日本時間15日午後3時現在、「再検討すべきだ」は回答者の71.8%、「すべきでない」は28.2%と、現状における北朝鮮の存在は、中国の国益にとって負担面が大きいとの見方を示す人の方が多い。
 環球時報の社説は、中国当局の意向を、少なくとも間接的には反映したものと考えてよい。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)