[練習試合]自らの存在をゴールで示したU-16代表候補FW棚橋尭士

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[2.14 練習試合 U-16日本代表候補 3-2 桐光学園高 時之栖裾野G]

 この選手、いつも見ていて非常に気持ちがいい。それは悔しさや意地をピッチ上でプレーとして昇華してくれるからだ。

「FWは点を取って初めて評価をされると思っています。だからこそ、試合に出たら点を決めないといけませんし、僕は点を決めたいタイプのFWだと思います」。

 鋭い目つきと引き締まった表情でこう語るように、U-16日本代表候補のFW棚橋尭士(横浜FMジュニアユース)はストライカーとしての矜持を常に持ちながらプレーをしている。

 今回の静岡合宿において、彼は体調不良で参加を辞退したFW山田寛人(C大阪U-18)の代わりに追加招集された立場だった。負けん気の強い彼は、この状況に納得しているはずはなかった。この合宿でもう一度、自分のFWとしての存在感を示したい。確固たる意志で臨んでいた。

 この日の第1試合、清水ユース戦は鋭い飛び出しで相手守備陣を揺さぶったが、ゴールを奪えなかった。だが、続く桐光学園高戦でストライカーとしての本能と気迫を示した。前半20分に左サイドから抜群のタイミングで飛び出し、GKと1対1となるが、放ったシュートは右ポストの僅か外側に外れて行った。その瞬間、彼の眼光がさらに鋭くなった。

「次こそ決める」。

 気迫みなぎる棚橋は、同33分、左サイドでボールを受けると、対峙したDFに対し、一度縦に行くと見せかけ、鋭く中に切り返して、左足を一閃。ボールは鋭い弾道を描いて、バーの下を叩いて、ゴールに突き刺さった。

「あの形は得意な形。代表に行き始めてから、フィジカルがついて来て、切り返しから強く打てるようになった。チーム(横浜FMジュニアユース)でもずっと狙っていた形でした」。思い通りの形で叩き込んだゴールは、自らの存在を示す、強烈な自己主張だった。

「FWは常にゴールを決めるポジション」。このゴールですべて良しとなった訳ではないことを、彼はよく理解している。尽きることの無いゴールへの執着心を燃やし続けるストライカーは、まだまだ満足という言葉を知らないまま、突き進んで行くだろう。

(取材・文 安藤隆人)