2015年、大村智氏がノーベル生理学・医学賞を、梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞したことは記憶に新しい。日本のノーベル賞受賞者はアジア最多であり、日本の研究分野が高く評価されていることを示すものと言える。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 2015年、大村智氏がノーベル生理学・医学賞を、梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞したことは記憶に新しい。日本のノーベル賞受賞者はアジア最多であり、日本の研究分野が高く評価されていることを示すものと言える。

 中国メディアの中国組織人事報はこのほど、日本から多くのノーベル賞受賞者が輩出されていることについて、「多くの受賞者を輩出しても、日本はうぬぼれず、研究者も怠ることはない」と伝え、こうした姿勢が日本の研究分野の発展につながっているとの見方を示している。

 記事はまず、21世紀以降の自然科学分野における日本のノーベル賞受賞者数は米国に次いで世界で2番目に多いことを紹介。日本政府は2001年に「今後50年間で30人の受賞者を輩出する」との目標を掲げたが、わずか15年で半分を達成したことになり、日本の研究者の自然科学分野での勤勉さと実力は世界の注目の的になったとした。

 しかし、多くの受賞者を輩出しても日本政府とメディアはうぬぼれず、研究者も怠ることなく、「日本社会全体に反省と自戒の渦が巻き起こっている」と記事では指摘。例えば、梶田氏の受賞が決まった翌日には、日本メディアがその理由について分析した記事を掲載したが、それによると現在の大学の研究環境は厳しく、日本の国立大学の運営補助金が10年間で1300億円も削減されており、新しく研究者になる人の数が少なく、現状維持に留まっているという問題が提起されたと紹介した。

 また、別の日本メディアは、現在のノーベル賞受賞は「10年以上前の研究成果」によるもので、現在の日本の科学技術力を反映していないと主張。成果主義の影響で今後は受賞者が減少する可能性があると論じている。さらに、科学論文の数も1990年代までは米国に次ぐ世界2位の数だったのが、21世紀に入ってからは減少して世界5位に甘んじていると問題を指摘している。

 こうした問題の原因として、日本経済の停滞による研究費の不足に加えて、博士課程を専攻する学生の減少、留学に対する消極的な見方ゆえに最先端の科学知識を得る機会を逸していることなどが挙げられると記事は指摘。日本では、短期間で成果を出す近視眼的な政策をやめるべきとの声があることを伝えている。

 近年、米国の著名な大学では留学生の大半を中国人が占めるようになっており、米国で最先端の知識を学んだ中国人が中国の発展に貢献している。日本も世界をリードする自然科学分野での地位を維持するため、海外留学者の帰国後の地位を確保することで留学を奨励し、安心して研究に専念できるよう経済面でのサポートが必要だろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)