モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が、開通区間が広がった新東名高速道路の魅力について解説する。

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 ご同輩諸君。長距離ドライブはしているだろうか? 私はたとえ東京から鹿児島でもクルマで往復するクチで、ロングドライブを半ば生き甲斐としているが、反対に「もう疲れちゃうから」と、敬遠している方もいらっしゃるだろう。

 4年前に部分開通した新東名高速道路も、まだ走ったことがないという方が多いかもしれない。そういうご仁にはぜひ、一度走ってみることをおすすめする。

 東京〜大阪間の新たな大動脈たる新東名および新名神は、これまでの日本の高速道路とはレベルが違う。路面は平滑で広々としており、カーブも勾配も少なく夢のように快適。道路構造的には憧れのドイツ・アウトバーンに匹敵する。もちろんあっちと違って制限速度(時速100kmのまま)はあるが……。

 2月13日にはこれまで未開通だった浜松いなさJCT〜豊田東JCT間55kmが開通し、これで新東名は御殿場より西側が全線開通。東京〜名古屋間のロングドライブがぐんとラクになった。

「そうは言っても片道350kmくらいあるだろう? やっぱりキツイよ!」

 いやいや、百聞は一見に如かず。走ってみれば恐らくビックリする。従来の東名高速に比べて断然快適ゆえに、距離がはるかに短く感じるのである。

 近年、高速道路のSA・PAの充実ぶりがたびたびメディアに取り上げられているが、これに関して日本は世界一。ドライブ途中の休憩も存分に楽しめる。私は世界20か国の高速道路を走った経験があるが、こんなに巨大で楽しくて、いろいろうまいものが食えるサービスエリアなど海外にはない。中でも新東名から伊勢湾岸道、新名神にかけてのSA・PAは、どこも設備が最新。それだけを目的にドライブしてもいいくらいだ。

 今回開通した浜松いなさ〜豊田東間には、岡崎SAと長篠設楽原PAが新設された。岡崎SAは宿場町風、長篠設楽原PAは戦国屈指の激戦として名高い「長篠の合戦」をコンセプトに、上り線が武田軍、下り線が織田・徳川連合軍の陣営を模している。歴史ファンのオッサンなら一度は訪れてみたいものである。

 NHK大河ドラマ『真田丸』も始まり、今年は戦国ブームが盛り上がっている。近年は歴史ファンの“歴女”も増えており、「歴史は苦手なの〜」と、ハナから毛嫌いする美女は減っているはず。

 ここはひとつ、新東名開通にかこつけて、美女をクルマで歴史ロマンの旅に誘い出すというのはどうだろう?

 その際に重要なのは、史実よりもロマンだ。あまりガチの史跡巡りに連れ回すと、美女はシラケてしまうだろう。あくまでロマンチックな雰囲気作りとオッサンの博学ぶりのさりげないアピール材料として、歴史ロマンを使うことがミソである。

※週刊ポスト2016年2月26日号